BTC、対円でもついに最高値更新、
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は2025年7月15日19時頃、対円では1728万円前後と前週(7日前)比で約9%高い水準で取引されています。BTCドルは11万6900ドル前後での値動きです。
先週半ば(7月9日)辺りから、ハイテク株を中心に米株式市場が上昇基調を強め、ナスダック総合やS&P500などの主要指数は過去最高値を更新し続けました。リスク志向地合いが強まるなか、ビットコイン相場にも機関投資家などからの資金が流入します。
BTCドルは10日にそれまでの高値圏11万2000ドル付近をクリアに上抜けると、週末にかけて11万8000ドル付近まで上げ足を速めました。週明けも買い優勢のまま12万3000ドル超えまで史上最高値を更新します。
BTC円も11日の東京昼頃に1700万円台にしっかり乗せ、1750万円手前まで上昇幅を広げました。週明け14日の夕刻には、史上最高値を1812万円台まで更新しました。年初来で23%高、今年4月の安値圏からだと66%の上昇率となります
※Trading Viewより
XRPがアウトパフォーマンス
ビットコイン以外の暗号資産も、前回コラムでも取り上げた時価総額第2位のイーサリアム(ETH)は対円で44万円付近、前週比およそ17%高と堅調です。
ほか目立ったのが、1週間で28%急騰したリップル(XRP)です。時価総額では、暗号資産全体で3位まで上がりました。円貨でXRPは25.47兆円と、BTC時価総額344兆円とは差があるものの、ETHの53.06兆円にジワリと迫ってきました。
※Coinmarketcap より
今回XRPが大きく値を上げたきっかけの1つは、暗号資産に特化した資産運用会社グレースケール・インベストメントが提供する「デジタル・ラージキャップ・ファンド(GDLC)」に関する報道です。
GDLCは、主要な暗号資産を組み合わせたバスケット型の投資信託です。BTCが約8割占め、XRPは5%ほど組み込まれています。このGDLCに対して米規制当局が先日、現物ETF(上場投資信託)への転換を承認しました。
すでにBTCやETHは現物ETFが上場されているため、今回の承認で機関投資家の目を引いたのはXRPだったようです。
※Trading Viewより
ビットコインETF、2日連続で…
ところで、米国で上場されている現物ビットコインETFは「実際のBTCを裏付け資産として持ち、その価格に連動する」金融商品です。2024年1月に承認され、取引が開始されました。
現在11種類ある現物ETFの総AUM(運用資産残高)は、今や1480億ドル(1ドル=148円換算で約21兆9000億円)まで膨れ上がってきました。その膨張したETFに関するニュースが↓こちらです。
「米国のビットコインETF、2日連続で10億ドル超の資金流入…」コイングラス
現物ビットコインETFへの1日あたりの流入額が、2日連続で10億ドルを超えたという記事です。これは2024年1月のローンチ以来初めてでした。
※Coinmarketcap より
供給が足りない…
前述した記事で気になったのが、ビットワイズ・インベストメントのHougan最高投資責任者のXへの投稿です。
「木曜日にビットコイン・ネットワークが生産したのは約450BTCだが、ETFが買ったのは1万BTCだった」
生産とは、つまりマイニングのことです。マイナーがBTCの取引を承認・記録することにより、新しいブロック(取引のまとまり)がブロックチェーンに追加されます。これは早いもの勝ちであり、その報酬として新規に発行されたBTCがマイナーに与えられます。
現在は1ブロックあたり3.125BTCが報酬として支払われています。このマイニングが、新しいBTCが市場に供給される唯一の方法です。
Hougan氏の投稿によれば、7月10日のマイニング報酬の合計は450BTCでした。これは、現物ビットコインETFがその日に買いあさった量の4.5%程度しかなかったということです。これではBTCの価格は上がらざるを得ないでしょう。
直近のBTCドル最高値は、現物ETFの取引開始当時(1BTC=4万3000ドル前後)から3倍弱まで拡大しました。この動きも確かに頷けます。今後も現物ETFの動向は注視する必要がありそうです。