エリオット波動のサイクル
エリオット波動理論には、上昇相場は上昇波と下降波でサイクルが構成されるという考え方があります。上昇波は上昇(第1波)・下降(第2波)・上昇(第3波)・下降(第4波)・上昇(第5波)の5波で構成されます。続く下降波は、下降(A波)・上昇(B波)・下降(C波)というように、基本的には3波で構成されます。よって、上昇相場のサイクルは、以下の図のように合計8波で構成されます。
下降相場は下降波と上昇波でサイクルが構成されます。下降波は下降(第1波)・上昇(第2波)・下降(第3波)・上昇(第4波)・下降(第5波)の5波で構成されます。続く上昇波は、上昇(A波)・下降(B波)・上昇(C波)というように、基本的には3波構成されます。よって、下降相場のサイクルは、合計8波で構成されます。
このサイクルにも複数の特徴がありますが、今回は実務面でも知っていると損はない、「交替の法則」についてかんたんに解説します。
交替の法則
交替の法則は、第4波の動きを予想するときに参考になります。上昇相場では上昇波の5波の中で第2波と第4波の2回の下降局面があります。以下の図表からイメージできるように、交替の法則とは第2波と第4波に同じパターンが出現しにくい傾向のことです。
株価指数や為替、債券価格などが対象のときは、(1)や(2)のように第2波にはジグザグの単純な調整パターンが出現することが多いとされています。一方、第4波にはフラットやトライアングルなどの複雑な調整パターンが出やすいとされています。
同じパターンが繰り返しにくいのは、相場の水準によって市場心理が異なるからです。第2波は弱気ムードが支配的なため急落しやすい。一方、第4波は第3波の上昇で強気になった多くの投資家による押し目買いに支えられるため、保ち合い型の調整になりやすいという考え方です。
なお、(3)のように、第2波が複雑なフラットやトライアングルになれば、第4波は単純なジグザグになる。ただ、第2波が複雑になることは稀といわれています。もちろん例外はあります。例えば、個別銘柄や参加者が限られている市場では、第2波と第4波が共にジグザグの単純な調整パターンとなることも珍しくありません。
以上、交替の法則とは、上昇相場における上昇波、下降相場における下降波の中の調整がどんなパターンや心理状況になるかを想定することができます。