2025年1月に高利回りの株主優待制度が導入されたことで注目を集めている「さくらさくプラス」と「エイチーム」をご存知でしょうか。使い勝手の良いクオカードが年2回贈呈される魅力的な優待内容が注目されていますが、過去には不祥事の噂が流れていたことも…。
今回はこの2銘柄について詳しくご紹介するとともに、やばい噂の真相についてもまとめます。
さくらさくプラス(7097)
さくらさくプラスは、保育所「さくらさくみらい」を運営する、子育て支援事業に特化した企業です。保育所運営のほか、中学受験対策塾や食育・子育てカフェの運営、保育所を対象とした新人教育や研修などの事業も行っています。
「グローバルキッズ」が原因のやばい不祥事
さくらさくプラスは、2022年7月に「グローバルキッズCOMPANY(以下、グローバルキッズ)」との経営統合を予定していました。しかし、合意書締結後に、グローバルキッズの補助金不正受給が相次いで判明します。この不祥事が原因で、締結されていた経営統合の合意書は解約されることになりました。
さくらさくプラスの株価
2025年6月時点の株価は約2300円です。上場当初の2020年は約2800円ほどの高値でしたが、2021年半ば頃から下落し始め、2022年には600円を下回りました。2024年は900円台を推移していましたが、2024年12月に株主優待制度が導入されたことをきっかけに、約2400円まで急騰し、その後は2000円前後を推移しています。
さくらさくプラスの配当金は連続増配
2025年度の配当金は、1月末の中間配当で12円、7月末の期末配当で12円の、年間1株当たり24円となる予想です。この金額は、2021年度の無配当、2022年度の10円、2023年度の12円、2024年度の20円から4期連続で増配しています。
株主優待のクオカードは年2回もらえる
さくらさくプラスの株主優待は、2025年1月の権利確定日分から新設されました。毎年1月末と7月末の権利確定日に、200株以上の株式を保有する株主に対して、それぞれ1万円分のクオカードが贈呈されます。
さくらさくプラスの利回り
1株2300円で200株購入した場合、投資金額は46万円です。配当金は4800円なので配当利回りは約1.0%になります。また、株主優待として年間で約2万円相当のクオカードが贈呈されるため、優待利回りは約4.3%、配当と優待を合わせた利回りは約5.4%です。
エイチームホールディングス(3662)
エイチームホールディングス(以下、エイチーム)は、引越し料金比較サービス「引越し侍」をはじめとした比較サイト・情報メディア・ウェブサービスなどを多数展開する企業です。また、ゲームアプリの開発や運営、集客支援やコンサルティングなどの事業も行っています。
「スクエニ」が原因のやばい不祥事
2022年までにスクウェア・エニックス(以下、スクエニ)とスマホゲームアプリ「FF7FS」を共同開発していました。元スクエニ社員2名が、その事実が世間に公表される前に、エイチームの株式を大量購入したとして、金融証券取引法違反で逮捕されています。
また、エイチーム自体も、2017年から2023年までの約6年半に渡り、エイチームの従業員、運営するサービスやアプリの利用者、取引先企業など、延べ約93万人の個人情報が漏洩する不祥事を起こしています。
エイチームの株価
2025年6月時点の株価は約1100円です。比較的株価変動が大きい特徴があり、2021年までは約1200円から約4500円の間で何度も大きな株価変動が発生していました。2021年に株価が暴落して以降は約600円前後をほぼ横ばいで推移していましたが、2024年に約1000円まで急騰しています。
エイチームの配当金は期末決算時のみ
2025年度の配当金は、7月末の期末配当にて、年間1株当たり22円が配当される予定です。この金額は、昨年度と同じ金額を維持しています。
株主優待の贈呈は中間決算と期末決算
エイチームの株主優待は、2025年1月の権利確定日分から新設されました。毎年1月末と7月末の権利確定日に、500株以上の株式を保有する株主に対して、それぞれ1万円分のクオカードが贈呈されます。配当金は期末決算の年1回のみですが、株主優待は中間決算と期末決算の年2回贈呈されます。
エイチームの利回り
1株1100円で500株購入した場合、投資金額は55万円です。配当金は11000円なので配当利回りは約2.0%になります。また、株主優待として年間で約2万円相当のクオカードが贈呈されるため、優待利回りは約3.6%、配当と優待を合わせた利回りは約5.6%です。
まとめ
「さくらさくプラス」と「エイチーム」についてご紹介しました。エイチームの個人情報漏洩は大きな問題ですが、特に噂されている不祥事は、どちらも他社に巻き込まれたものであり、不祥事を頻発するやばい会社というわけではありません。
どちらも使い勝手のよいクオカードが高利回りで贈呈される株主優待は非常に魅力的です。ただし、株価変動が比較的大きいため、リスクも比較的大きい銘柄であることに十分注意した上で、投資先として検討してみてください。