IMMポジションとは
FXを取引し始めると、いままで聞いたことのない言葉を耳にすることがあるでしょう。
その中で、おそらく多くの方はIMMポジションという言葉を聞いたことがないかもしれません。
IMMとはInternational Monetary Market(国際通貨市場)の略です。
主に、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に上場されている通貨先物市場のことを言います。
一部では「シカゴ筋のポジション」などと呼ぶ場合もあります。
このIMMのポジションは通常(休祝日の関係で例外もあります)、毎週金曜日のNY時間午後に発表されます。
発表対象はその週の火曜日のもので、6月27日に発表されたものは、24日のものです。
現在のポジションではないので、24日から27日の間にポジションが大幅に変わっていることもあり、今現在のポジションとは言えません。
ただ、IMMポジションにどの程度の傾きがあったかなどを知ることはできます。
ポジショントークに要警戒
このIMMポジションの円ロング(主にドルショート)のポジションが、今年に入り過去最高を記録したことは既に知れわたっているかと思います。
このポジションの傾きにより、市場参加者の間ではIMMが円ロングだから「彼ら(IMM)はドル円が上昇すると、耐えられず円売り・ドル買いをするぞ!」と吹聴する声が良く聞こえました。
実際にポジションが大きく傾いた場合は、短期勢を中心にポジションのあぶり出しで、ストップロスを巻き込む場合も多々あります。
ただ、上述のようにポジションカットを吹聴する人たちの多くは、逆のポジションを持っていて、いわゆるポジショントークの場合が多いといえます。
今回の場合は、ドル円が今年に入りじり安になる中で、トレンドに乗れず、ずっとドル円をロング(円ショート)をしていた人たちが多いでしょう。
本当の意味でのIMMポジションを見る
IMMポジションを意識しすぎて、逆張りをしたり、巻き戻しを期待する人たちもいるでしょう。
ただ、本当の意味でIMMポジションをどう見るかが大切でしょう。
日本人は日本人の考えでポジションを持つことが多いです。
例えば、金利がほぼ付かない世界でドルや高金利通貨をロングにして、円を売る人はスワップポイントを期待しています。
経済の見方も、日本人は日本人なりの見方しかできません。
外資系金融機関などで働いていれば、海外のファンド関係者が、日本人である私にどのように日本経済や円について思っているのかを聞いてくる場合もあります。
日本人としては常識と思っている考えが、海外では全く違う考えだったりもします。
逆に、日本人は海外ファンドが日本について、円について、どういう考えを持つかを理解するのは難しいでしょう。
外資系金融機関などは、各国とつながりがあることで、世界中でミーティングを行ったり、情報共有をすることができます。
その場合は、海外の金融関係者は何をどう思っているかを知ることができます。
ただ、一般にFXをやっている場合は、そのような機会はめったにないでしょう。
そこで便利なツールとなるのがIMMポジションです。
世界の金融の中心値の一つのシカゴで、海外の金融関係者は円についてどう考えているかを知ることができるのです。
IMMポジションを自分のポジショントークに利用する人もいます。
ただ、本来のIMMポジションの利用方法は、国外の投資家がどのように円を考えているかということを忘れてやってはいけないでしょう。