タイガース効果でエイチ・ツー・オー リテイリングの株価は反転するか!

2023年の日本シリーズは関西対決

国内のプロ野球は、10月28日(土)から開催される日本シリーズを残すのみとなりました。

今年は阪神タイガースとオリックス・バファローズの関西シリーズとなり、関西圏はかなりの盛り上がりをみせそうです。

日本シリーズのチケットに関して、報道によると流通サイトで高額転売が行われており、甲子園開催で最高50万円との記事もありました。


エイチ・ツー・オー リテイリングの株価推移に注目

両チームの親会社の株価を確認すると、阪急阪神ホールディングス(9042)は9月に年初来高値をつけたあと下落基調となる一方、オリックス(8591)は高値圏で推移しています。


果たして来週以降、両チームの関連銘柄が物色されるのでしょうか

その中で阪急百貨店と阪神百貨店が統合し誕生した関西地盤の百貨店エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)に注目しています。

同社株は8月下旬から9月中旬にかけて上昇が続いたものの、9月14日に阪神タイガースの優勝が決定した後、材料出尽くしから売りに押され、調整局面が続いています。

ただし日本シリーズで阪神タイガースが優勢となり、1985年以来の日本一が現実味を帯びれば、再び同社株への買いの勢いが強まる可能性があるとみています。


日本シリーズで熱戦が繰り広げられることが予想されるなか、同社は日本シリーズ最中の11月2日24.3期上期(4-9月)の決算発表が予定されています。

8月2日に24.3期1Q(4-6月)の決算を発表した際、24.3期通期の業績予想を上方修正しました。

さらに9月にセ・リーグの優勝決定後、「祝・リーグ優勝 阪神タイガースご声援感謝セール」を開催したこともあり、7-9月も好調が続いた可能性が高いとみています。

8月に続き、上方修正を発表するかが焦点となりそうです。


また日本シリーズの結果に関わらず声援感謝セールを実施するとみられ、10-12月も売り上げ増が期待できそうです。

阪神タイガースの躍進と好業績への期待が支えとなり、株価は反転し上値を試す展開となるか注目しています



ヤクルト本社の株価持ち直しに期待

その他のプロ野球関連銘柄に関しては、前年まで2年連続でセ・リーグを制覇したヤクルト・スワローズの親会社であるヤクルト本社(2267)の株価動向に注目しています。

今年はチームの不調に合せるかのように株価は低調に推移し、10月26日に年初来安値を更新しています。

同社はスポーツ事業を主力しているわけではないため、チームの成績が業績に与える影響は軽微となります。

しかし、今年に関してはチームの成績と株価の推移がある程度相関していることから、多少投資マインドに影響を与えているのではないかと考えてしまいます。


低調な株価の要因には、中国での販売不振が挙げられます。

政府は正式に公表していませんが、ゼロコロナ政策を解除したあとも感染が拡大していたとの観測があり、販売は伸び悩んだようです。


今後もすぐに販売が持ち直す可能性は低いとみられますが、11月14日に発表予定の24.3期上期決算で中国事業で底打ちの兆しがみえれば、業績回復期待が株価の支えとなる可能性はあります。

24.3期1Q(4-6月)の連結営業利益は170億円(前年同期比15.0%増)と増益となりました。

会社側は1Qについて想定よりも良いスタートを切ったとの見解を示し、上期の業績次第では通期業績予想の上方修正の可能性を示唆しています。


ヤクルト・スワローズに先んじて、上期決算を契機にヤクルト本社の株価が持ち直すか注目しています。


日本株情報部 アナリスト

角屋 昌範

2005年に国内証券会社へ入社後、投資情報部や調査部に在籍。投資情報部では、米国や香港株式市場見通しの作成など海外金融市場に関する調査業務に携わる。調査部では、ネット関連セクターを中心に国内個別企業のアナリストレポートを執筆した。 国内証券会社などを経て2019年に入社。主に先物市場見通しなど「デリバティブコンテンツ」を担当。 CFP DCプランナー

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