日経平均は一時400円を超える下げ幅
週明け18日の日経平均は211円安と反落し、一時は400円を超える下げ幅となる場面もありました。日銀金融政策決定会合の結果発表を翌日に控えたポジション調整の売りや、先物主導の仕掛けもあったようです。
業種別では、33業種のうち29業種が下落し、上昇は4業種。特に、「海運」が5%を超す上昇率と騰勢を強める展開となりました。デンマークの海運大手マースクが12月15日、紅海を経由するすべての通航を一時停止すると発表したことが材料となりました。イエメン沖で親イラン武装組織フーシ派が船舶への攻撃を活発化させていることを受け、長距離のアフリカ大陸の南ルートなどで代替することで運賃が高騰する可能性があると見方から、日本郵船(9101)や商船三井(9104)、川崎汽船(9107)など海運各社が買われました。最近では相場全体の地合いがよくない日に物色される傾向もありましたが、18日は高く寄りついたあとも上値を伸ばす展開となりました。
そこで、今回はチャート道場の第12回目として、日本郵船(9101)を採り上げてみました。
週足でみる日本郵船の株価推移
図表は、日本郵船(9101)の2021年6月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入した週足チャートです。下方のグラフは出来高と出来高の26週移動平均線です。
2022年高値4163.2円を起点とした下落によって、13週・26週・52週移動平均線を順番に下回る展開となり、2022年9月安値2422円まで下げる場面がありました。しかし、ゆっくりと持ち直す動きが確認できます。
パターン分析では、2022年高値4163.2円と2023年2月高値3724円を通る上値抵抗線と、2022年9月安値2422円と2023年5月安値2929.5円を通る下値支持線とで三角保ち合いが確認できます。今年8月に形成した大陽線で上値抵抗線を上回り、三角保ち合いを上放れたという判断ができます。
その後は9月に4446円まで上昇し、年初来高値更新に続いて2022年高値も更新する強い動きがありました。
高値更新後は再び調整局面にありますが、かつての上値抵抗線(現在は下値支持線との位置づけ)や、上昇基調にある26週移動平均線をサポートに底堅く推移しています。
そういった状況にある中、12月18日の上昇によって直近高値を上回っており、年初来高値を更新する可能性が高まった局面です。出来高はこのところ低調な推移にとどまっていますが、出来高増加も株価上昇に重要な要素となります。
株価の高値更新があった場合、出来高が26週移動平均線を上回る状況まで増加するかが、過去の株価が動意付いた局面同様、上値追いへの信頼度を高めるポイントとなります。