【東野幸利のチャート道場~ウエルシアHD】

日経平均は連日の最高値更新、買い一巡後は伸び悩む

週明けの日経平均株価は連日で史上最高値を更新しました。ただ、買い先行のあとは伸び悩む展開となり、3日ぶりに陰線を形成。一方、マイナス圏に沈むことなく、後場は底堅く推移しました。東証プライム市場の値上がり銘柄数は838と、値下がり銘柄数の757ときっ抗。売買代金は5兆1,100億円と高水準を保ちました。


三菱商事や三井物産が上場来高値を更新。ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが保有比率を引き上げたと伝わったことが買い材料となりました。経営統合観測が報じられたドラッグストア大手のウエルシアホールディングスとツルハホールディングスがそろって急騰。熊本でTSMCの工場が開所したことを材料に九州電力や九州FGが人気化しました。


今週の東京株式市場は地合い良好が継続する見通し。一方、月末・月初の週となることで、外部環境次第では需給要因で上にも下にも変動率が大きくなる可能性が高いです。

これまでは半導体関連株の上昇による指数の押し上げ寄与が大きかったですが、当面は出遅れ銘柄を物色する流れが強くなる展開が予想されます。米半導体大手エヌビディア株への注目から、景気動向を背景に米長期金利(米10年債利回り)の動向に焦点が移行しそうです。


週足でみるウエルシアHDの株価推移

図表は、ウエルシアホールディングス(3141)の2018年10月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートです。



2020年7月高値5,035円を起点に三段下げの典型的な下落相場が続いています。一方、直近安値となった2023年12月安値2,290.5円は2022年6月安値2,296円を下回ったものの、26日の上昇で52週移動平均線を一気に上回る好転サインが確認できました。


52週移動平均線を上回っただけではなく、2022年12月高値3,285円を起点とした抵抗線Aまで上昇しました。


短期的には抵抗線Aを上回ることができるかが焦点です。上回ることができればさらに好転サインですが、頭を抑えられると52週移動平均線を支持に調整が長引くことが考えられます。抵抗線Aを明確に上回ることができると、2022年12月高値を起点とした短期下落波動が上昇に転じた可能性が高まります。


次の焦点は、2020年7月高値を起点に2021年11月高値4,390円を通る抵抗線Bを上抜けることができるかどうかです。

抵抗線Bを上回ることができれば、2020年7月高値を起点とした中期下落波動が上昇に転じる可能性が高まります。一方、抵抗線Bに頭を抑えられると抵抗線Aを支持に調整が続くことが予想されます。


ただ、抵抗線Bに達する水準までの安値からの上げ幅にもなってきますと、13週・26週・52週移動平均線の上昇が継続しやすくなり、しばらく抵抗線Aを支持に調整が続いたとしても、中期波動は上昇局面入りへの期待値が高まることになるでしょう。


日本株情報部 チーフストラテジスト

東野 幸利

証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。 マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。世界主要指数や個別株を対象にテクニカル・ストラテジーの提案。 日経CNBC「夜エクスプレス」、日経チャンネル「マーケッツのツボ」、テレビ東京「モーニングサテライト」、ラジオ日経(金曜後場マーケットプレス)など 会社四季報プロ500、ダイヤモンド・ザイ、日経マネー、株主手帳など 金融機関向けコラム「相場一点喜怒哀楽」 IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA) 日本テクニカルアナリスト協会理事 CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務) DCアドバイザー(確定拠出型年金教育・普及協会)

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