2024年2月22日に日経平均株価の終値が3万9098円を記録し、34年ぶりに最高値を更新しました。しかし、日経平均と同じく日本の株価指標のなかにTOPIXがあり、それぞれどのような違いがあるか疑問に感じていませんか。
そこで本記事では日経平均とTOPIXの違いや構成銘柄、チャートについて比較してみますので、ぜひ参考にしてみてください。
日経平均とは?
日経平均株価とは、日本経済新聞社が東京証券取引所のプライム市場に上場する企業のなかから、225銘柄を厳選して算出した平均株価のことです。
選定される銘柄は以下のセクターバランスを考慮して選ばれています。
・技術
・金融
・消費
・素材
・資本財・その他
・運輸・公共
原則として年に1~2回銘柄を見直しており、2023年10月にはメルカリ・レーザーテック・ニトリホールディングスが新たに採用されました。
TOPIXとは?
TOPIXとは東証株価指数ともいい、東京証券取引所に上場する銘柄を対象にして算出する株価指数のことです。
国内株式で運用される投資信託のベンチマークとしては、日経平均株価よりTOPIXのほうが多く採用されています。
日経平均株価とTOPIXの違い
日経平均株価とTOPIXの違いについて、表にまとめました。
・日経平均の算出方法
「各銘柄の採用株価=株価×株価換算指数」
「日経平均株価=構成銘柄の採用株価合計÷除数」
計算は複雑にみえますが、225銘柄の構成銘柄を足して除数で割った値が日経平均として算出されます。つまり、株価の高い銘柄の影響を受けやすい指標といえます。
一方で、TOPIXの算出方法は以下のとおりです。
・TOPIXの算出方法
「流通株価の時価総額÷基準時点の時価総額(1968年1月4日)×100」
TOPIXは時価総額の合計によって求められるため、トヨタやソニーなど時価総額の高い企業の影響を受けやすい特徴があります。
ただし、1銘柄が指標に与える影響は日経平均より少なく、日本株式市場全体の動向を示す経済指標として活用されます。
日経平均株価とTOPIXの構成銘柄を比較
日経平均とTOPIXの構成銘柄を比較します。
日経平均株価の上位10銘柄
※2024年2月29日時点のデータを参照
TOPIXの上位10銘柄
※2024年2月29日時点のデータを参照
日経平均のトップであるファーストリテイリングは、全体の約11%を構成しています。たとえばファーストリテイリングの株価が単純に2倍になると、4,000円近く日経平均を押し上げる要因になります。
また日経平均の構成銘柄をみたときに疑問に感じるかもしれませんが、時価総額で上位を占めるトヨタや三菱UFJは日経平均の上位10位に入りません。
これは日経平均が株価を重視する経済指標であり、株価の低い銘柄はランキング上位に入らないからです。
日経平均とTOPIXのチャートを比較
つぎに日経平均とTOPIXにおける5年間のチャートを比較します。
・日経225:青
・TOPIX:オレンジ
参照:TradingView
単位が違うので2つの指標を同一に扱うのは難しいのですが、並べてみると強い相関関係があります。
どちらの経済指標も日本株式市場の動向を示しているため、長期的な方向性を確認するうえで活用できます。
TOPIXは最高値を更新できていない
上記の表には載せていなかったのですが、TOPIXは1989年12月に記録した2884.80ポイントが最高値でした。2024年3月1日の終値は2,709.42ポイントであり、まだ2000ポイントほど最高値まで差があります。
しかしながらTOPIXもバブル後の最高値を更新し続けているため、日本株式市場の好調さがうかがえています。年内に最高値を更新できるか注目してみてはいかがでしょうか。