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介入期待の個人投資家、過去最大の円買いポジション
ドル円は昨日25日に一時155.75円と1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新しましたが、個人投資家は過去最大規模の円買いポジションを構築しています。市場では「過去最大の円買いポジションを抱えながら、政府・日銀による円買い介入を待ち構えている。介入によりドル円が急落する局面を捉えて収益を得るのが狙いで、その姿はさらなる円安進行を見据えて円売りポジションを積み上げる海外投資家と対照的だ」との声が聞かれています。
*Trading Viewより
下のグラフは東京金融取引所がHP上で公表している外国為替証拠金(FX)取引「くりっく365」のデータです。個人投資家の円買いポジション=ドル円ショートは2月に記録した28.4万枚を超えて、29.5万枚と過去最大となったことが分かりました。
*東京金融取引所のデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
トレンド=相場の流れに逆らう「逆張り」の取引スタイルで知られる個人投資家は、1年半ぶりに政府・日銀が円買い介入を再開することを期待していると言います。ただ、鈴木俊一財務相や神田真人財務官が円安けん制を繰り返す中、「防衛ライン」とみられていた155円をあっさりと突破したにもかかわらず、未だに「介入」は実施されず。「介入が実施されれば、2022年のようにドル円を5円程度押し下げる可能性がある」と予想されていますが、“待望の介入”は来ていません。
投機筋の円売りポジションは17年ぶりの高水準
一方、ヘッジファンドによる円売りポジションは過去17年間で最大規模に膨らんでいます。米商品先物取引委員会(CFTC)が先週末発表した16日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の売り越し=ドル円のロングは16万5619枚とその前の週の16万2151枚から3468枚増加しました。これは2007年6月以来の高水準であり、円先物が導入された1986年以来でも屈指の規模となっています。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
「ポジションが偏れば反動は大きくなる」と言います。先に政府・日銀による為替介入でドル円を大きく押し下げてくれれば、個人投資家が助かり、ヘッジファンドが損をする格好になります。ただ、このまま160円や170円を突破されてしまうと個人投資家が損をこうむり、ヘッジファンドが得をする格好になります。市場では「円売り(ドル円ロング)がここまで増えると、ちょっとしたきっかけでヘッジファンドがポジションを巻き戻し、利益を確定するかもしれない。現在、ドル円をロングしているトレーダーは難しい判断を迫られている」との声が聞かれていますが、同時に「ドル円をショートしている個人トレーダーも難しい判断を迫られている」とも言えます。
ユーロ円のショート、ストップロスを付ける
そして、私がこれまで保有していたユーロ円(標準)のショート@163.929円、ロット「1」は直近高値である3月20日の165.35円より少し上の「165.45円」にストップロスを設定していましたが、あっさりと付けてしまいました。実現損益は「▲1万5210円」。
*IG証券より
鈴木財務相は昨日25日に「市場をしっかり注目して適切な対応していく思いに変わりはない」「今の局面で多く話せないこと何卒ご理解いただきたい」と話していましたが、ここにきて「本当に介入できるのか?」との疑念も・・・。なお、その晩にはイエレン米財務長官が為替介入について「まれな出来事であるべき」「過度な変動がある場合に限定され、事前に協議があることが期待される」と語っています。
日銀会合直後の為替介入のパターンを繰り返す可能性
政府・日銀は2022年9月22日、日銀金融政策決定会合の当日に円安が進んだことを受けて円買い介入を実施しましたが、市場の一部では「日銀会合当日に政府が為替介入を実施した過去のパターンが繰り返される可能性がある」との思惑も出ているようです。「当時と今回の会合を重ね見るような声が聞かれる。いずれも歴史的な水準まで円安が進んだ重要局面で迎える会合となり、市場の事前予想は政策据え置きという共通点がある」といいます。
とすれば、当時の日銀総裁である黒田東彦氏が15時30分からの定例記者会見で「緩和を当面続けることに全く変わりはない」と発言し、急速に円安が進んだ直後に介入が実施されたことを踏まえ、本日26日も植田和男日銀総裁の定例記者会見後の「夕方の円買い介入」の可能性に注意(期待)しておく必要がありそうです。
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