2026年の世界10大リスク
米調査会社、ユーラシア・グループは、 2026年世界10大リスクを公表しました。その10大リスクは次の通りです。
リスクNo.1 米国の政治混乱
リスクNo.2 「電気国家」中国
リスクNo.3 ドンロー主義(トランプ版モンロー主義)
リスクNo.4 包囲される欧州
リスクNo.5 ロシアの第二の戦線
リスクNo.6 米国式国家資本主義
リスクNo.7 中国のデフレ
リスクNo.8 ユーザーを食い尽くすAI
リスクNo.9 米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)のゾンビ化
リスクNo.10 水の武器化
首位が米国の政治混乱
この世界10大リスクで、国に関するリスクとして1位、3位、6位、9位の四つのリスクを挙げています。1位にはトランプ氏が大統領権限を強めていく「米国の政治革命」を挙げています。「トランプ氏自身への権力の歯止めを解体し、政府機構を掌握し、敵に対し武器として利用しようとしている」として、「第1次トランプ政権までは持ちこたえていた安全装置はいまや崩れつつある」と指摘しています。
3位には、ベネズエラのマドゥロ大統領拘束につながった、米国が南北アメリカ大陸を自らの勢力圏と主張する「ドンロー主義(トランプ版モンロー主義)」が選出されました。ただ、中国が中南米への影響力を強める中で、米国の強引な圧力にさらされれば中南米各国の中国依存がさらに高まる可能性があると言及しています。
そして、6位には、政府が民間企業の経営に介入する「米国式国家資本主義」が選ばれ、9位に「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)のゾンビ化」を挙げています。USMCAは、発効6年目(2026年7月)に協定の見直しを行うことを定めていますが、3カ国の見直しはまとまらないだろうと予測しています。企業や政府は予測不可能な状況に陥るだろうと指摘しています。
つまり、この世界10大リスクでは「米国が最大のリスク」、特にトランプ米大統領がリスクであることが指摘されています。
中国が2・7位
世界10大リスクの2位には「電気国家」中国、7位には中国のデフレと中国が二つ占めています。「電気国家・中国」とは、中国が電気自動車(EV)、ドローン、蓄電池、人工知能(AI)などに共通する基盤技術である「電気スタック」を掌握し、クリーンエネルギーの生産・消費で世界をリードしている状況を指します。中国が「電気スタック」を掌握したことが世界にとってリスクであると指摘しています。これは、米国がこの分野での主導権を譲り渡しつつある「分岐点」が2026年に無視できないものとなるためです。
7位に中国のデフレが入っていますが、中国はデフレ・スパイラルから抜け出せず、その余波が世界に波及するリスクを予測しています。また、中国のデフレは日本にとって最大のリスクだとしています。中国国内では、日本企業の現地ビジネスや対中輸出で厳しい競争になることや、中国のデフレ輸出によって東南アジアなどでは日本製品にとって収益圧迫になると指摘しています。
必要な心構え
日本の衆院解散・総選挙、積極財政と11月の米中間選挙を控えてトランプ大統領の行動が今年の為替相場の波乱材料となり、日米の金融政策が注目されますが、世界のリスクもある程度把握しておけば、為替の想定シナリオにそのリスクシナリオも加えておくことができます。また、事前にリスクの兆候がみられ、そのリスクが高まってくる場合はそのリスクに対応する準備ができます。心構えとしてそのリスクシナリオを加えておくのとおかないのとでは大きな違いがあるため、事前に準備しておくことが肝要となります



