第1四半期決算は80%の銘柄で調整後一株当たり利益が予想を上回る
4月中旬からスタートした米企業の第1四半期決算は先週までにS&P500の436銘柄が発表し、そのうち80%の349銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回りました。
また、5月1日以降では171銘柄が発表を終え、そのうち79%の135銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回りました。
決算や見通しが好感されたバイオ・テクネ、ビストラ、メトラー・トレド・インターナショナル、アリスタ・ネットワークス、ハウメット・エアロスペースが5月月初来で20%超上昇したほか、
ガーミン、NRG エナジー、インターナショナル・フレバー・アンド・フレグランス、ボルグワーナー、アムジェン、アメリカン・ウォーター・ワークス、ワーナー・ブロス・ディスカバリーなども月初来で10%超の上昇となりました。
一方、ウクライナでソフトウェア開発を行うDXなどのITコンサルティングのEPAMシステムズは調整後一株当たり利益が市場予想を上回ったものの、通期見通しを取り下げたことが嫌気され月初来で22%超下落したほか、
CVSヘルスケア、エクスペディア・グループ、ノルウェジアン・クルーズ・ライン、イルミナ、エスティ・ローダーなども決算や見通しが嫌気され月初来で2桁安となりました。
アップルの1-3月期決算はiPhone販売が減少するも、売上高、利益が予想を上回る
注目されたアップルの1-3月期決算はiPhone販売が減少しましたが、売上高と利益が市場予想を上回ったほか、巨額の自社株買いを発表したことも好感され、株価は大幅高となりました。
アップルが5月2日引け後に発表した2024年度第2四半期(1-3月)決算は、売上高が前年同期比4.3%減の907億5300万ドルとなりましたが市場予想の900億1100万ドルを上回りました。
純利益が同2.2%減の236億3600万ドルと減益となりましたが、調整後の一株当たり利益は1.53ドルと市場予想の1.50ドルを上回りました。
部門別売上高は、Macが前年同期比3.9%増の74億5100万ドルとなりましたが、iPhoneが同10.5%減の459億6300万ドルとなったほか、iPadが同16.7%減の55億5900万ドル、ウェアラブル端末等が同9.6%減の79億1300万ドルとなりました。
サービス収入は同14.2%増の238億6700万ドルとなり市場予想の232億7000万ドルを上回りました。
1100億ドルの自社株買いを発表し、年初来下落率が大きく縮小
株主還元については、四半期配当を従来の一株当たり0.24ドルから0.25ドルに引き上げ、12年連続の増配としたほか、過去最大規模となる1100億ドルの自社株買いを発表しました。
1-3月期の自社株買いは235億ドルで、3月末時点のネットキャッシュは580億ドルでした。
1-3月期決算が減収、減益となったものの、売上高、利益ともに市場予想を上回ったことや、巨額の自社株買い発表が好感され、株価は5月3日の取引で前日比10.35ドル高(+5.98%)の183.38ドルと大幅に上昇しました。
アップルの株価は昨年12月14日に199.62ドルの上場来高値を付け、今年4月19日に164.08ドルと52週安値を付けましたが、決算や自社株買い発表を受けて反発の動きが続いています。
週明け13日の取引でもiPhoneなどの基本ソフト「iOS」にチャットGPTのAIを組み込む計画との報道が好感され、前日比3.23ドル高(+1.76%)の186.28ドルで終了しました。
5月月初来では9.36%高となり、年初来では3.25%安と下落幅を大きく縮小しました。