先週は主要3指数がそろって2週続伸 S&P500は史上最高値更新が視野入り
先週の米国株式市場ではダウ平均が1.17%高、S&P500が1.50%高、ナスダック総合が2.18%高と主要3指数がそろって2週続伸しました。
米中の貿易交渉進展期待が支えとなる中、ハイテク株の上昇が相場をけん引しました。
経済指標では5月ISM非製造業PMIのほか5月ADP民間部門雇用者数、新規失業保険申請件数などの労働指標が予想より弱い結果となったものの、金曜日に発表された5月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回る増加となったことも安心感につながりました。
主要3指数は4月上旬の急落からの反発が続きました。S&P500は2月中旬に付けた史上最高値まで2.34%に迫り、ナスダック総合とダウ平均も最高値までそれぞれ3.19%、5.00%に迫りました。
S&P500指数採用の45銘柄が52週高値を更新
こうした中、先週はS&P500指数採用の45銘柄が52週高値を更新しました。
業種別の52週高値更新銘柄数を見ると、ITが14銘柄でトップとなり、資本財が13銘柄でそれに次いでいます。
このほか、金融が6銘柄、一般消費財が3銘柄となり、コミュニケーション、ヘルスケア、素材が2銘柄、エネルギー、生活必需品、公益が1銘柄となりました。
ITではAI搭載戦闘システムのパランティア・テクノロジーズが急騰
52週高値更新銘柄数が最も多いITでは、AI搭載戦闘システムなどのアプリケーション・ソフトウェア開発のパランティア・テクノロジーズが年初来で68.87%高、コンピュータ・周辺機器のシーゲイト・テクノロジーが47.11%高となり、クラウドストライク・ホールディングスとアンフェノールも年初来で30%超上昇しました。
このほか、時価総額が3兆ドルを超えるマイクロソフトも連日で52週高値を更新し、年初来で11.60%高となりました。
資本財ではハウメット・エアロスペースが年初来で60.35%高、GEエアロスペースが53.26%高、アクソン・エンタープライズが33.24%、RTXが20.20%高と航空宇宙・防衛関連株が軒並み急騰しました。
金融では取引所のインターコンチネンタル・エクスチェンが19.91%高、CMEグループが18.09%高、ナスダックが10.74%高となり、カード会社のビザとマスターカードもそれぞれ17.14%高、12.07%高となりました。
コミュニケーションは、52週高値更新銘柄数が2銘柄だけでしたが、ストリーミング・サービス大手のネットフリックスが39.28%高と急伸しました。
マイクロソフトが時価総額首位を奪回 アナリストの目標株価が510ドルに上昇
時価総額上位のマイクロソフトは先週2.18%高と比較的小幅な上昇にとどまりましたが、5日、6日と連日で上場来高値を更新しました。週明け9日の取引でも0.50%高と8営業日続伸し、高値更新が続きました。
時価総額は3兆5140億ドルと、エヌビディアの3兆4800億ドルを上回り、再び時価総額首位の座を奪回しました。一方、アップルは時価総額が3兆90億ドルに減少し、3兆ドル割れが目前となりました。
マイクロソフトが4月30日引け後に発表した2025年度第3四半期(1-3月)決算は、売上高が前年同期比13.3%増の700億6600万ドルと市場予想の684億2100万ドルを上回り、調整後の一株当たり利益も3.46ドルと市場予想の3.22ドルを上回りました。第4四半期については売上高見通しを731.5億-742.5億ドルとし、市場予想の722.6億ドルを上回ったほか、投資家が注目するクラウドのAzure部門の売上高見通しを34-35%増とし、市場予想の31.5%増を上回ったことも好感されました。
好決算や強い見通しを受けてアナリストの投資判断や目標株価の引き上げが相次ぎました。
LSEGが集計するアナリスト62人の投資判断は「強気買い」が21人と4月10日時点から3人増え、「買い」が34人、「保有」が7人となりました。目標株価の中央値は4月10日時点の493.12ドルから500ドルに上昇しました。
バロンズの集計では最上位の「バイ」が3カ月前の45人から50人に増え、目標株価の平均値は510.53ドルに上昇しました。