7月初日の日経平均は続伸、TOPIXは年初来高値を更新
7月初日となった1日の東京株式市場で日経平均は続伸。序盤で買いが一巡した後は上げ幅を縮小する動きとなり、後場はマイナスになる場面もありました。一方、TOPIX(東証株価指数)は3月につけた年初来高値を更新して終了。6月後半から続く主力大型株への買いが指数を押し下げる展開となりました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆8,600億円。値上がり銘柄数796に対して、値下がり銘柄数は790とほぼきっ抗となりました。業種別では、海運、保険、石油・石炭などが上昇した一方、精密機器、陸運、非鉄金属などが下落しました。
売買代金上位では、日立製作所(6501)が年初来高値を更新したほか、海運株の動きが良く、中でも川崎汽船(9107)が6.8%高と大きく上昇しました。半面、半導体関連の多くが売られ、最高財務責任者(CFO)の交代を発表したレーザーテック(6920)が約4%安と昨年10月以降の上昇局面で初めて200日移動平均線を下回って終えました。
値上が率上位では、上方修正を発表した百貨店株の高島屋(8233)とJ.フロント リテイリング(3086)が急騰しました。
週足でみるJフロントの株価推移
図表は、J.フロント リテイリング(3086)の2014年7月ごろからの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートです。
百貨店株は2015年に戻り高値をつけて調整し、新型コロナショック後の2020年安値まで下げたと、上昇基調が続いているのが主流です。
同社株も2015年7月高値(2,512円)から大きな2段下げ相場で調整を強いられました。新型コロナショック後の2020年8月安値(600円)で底打ちし、短期底を切り上げながら上昇基調が続いています。
一方、2020年1月の戻り高値(1,612円)を上回ったことで、2段下げ相場の調整から上げ相場に移行した可能性が高まりました。
高値更新後は52週移動平均線を割り込みながらも上値と下値を切り上げる保ち合い相場でしたが、7月1日の大幅高で1924.5円まで上昇し、保ち合い放れが鮮明となりました。
2020年1月の戻り高値に続く次の上値のフシは、2017年12月高値(2,190円)となります。2017年12月高値を上回ると、2015年7月高値(2,512円)が次の目指す水準になるでしょう。
ちなみに、同業の高島屋(8233)や三越伊勢丹ホールディングス(3099)はすでに2015年の高値を超えているため、業界内の相対比較ではJフロントの株価は出遅れているという見方もできそうです。