NYダウ292ドル安と反落 S&P500とナスダックが5週ぶりの反落

19日のNY株式相場は反落。6月下旬からの上昇で高値警戒感が強まる中、バーキン米リッチモンド連銀総裁がインフレ抑制のために大幅な利上げを継続すべきと発言したことや、米10年債利回りが2.98%台に上昇したことなどでハイテク株を中心に売りが強まった。


個人投資家の投機的な買いで足もとで2倍以上に急騰したベッド・バス・アンド・ビヨンドが40%超の急落となったことも投資家心理の悪化につながった。


ダウ平均は軟調にスタートすると、終盤に371ドル安まで下落幅を広げ、292.30ドル安(-0.86%)で終了。S&P500も1.29%安となり、ハイテク株主体のナスダック総合は2.01%安の大幅安となった。


ダウ平均採用銘柄は、ジョンソン・エンド・ジョンソンが1.5%高、メルク、ユナイテッドヘルスが0.6-0.7%高となった一方、ボーイングが3.4%安となったほか、JPモルガン・チェース、ナイキ、インテル、セールスフォース、ディズニーが2%超下落し、アップル、マイクロソフトなども1%超下落した。


週間ではダウ平均が54.31ドル安(-0.16%)と小幅に反落し、S&P500が1.21%安、ナスダック総合が2.62%安とともに5週ぶりの反落となった。


木曜日の新規失業保険申請件数が予想以上に減少し米労働環境の堅調ぶりが示され、8月フィラデルフィア連銀業況指数も予想に反して上昇する中、ブラード米セントルイス連銀総裁が9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.75%の利上げが好ましいと発言した。


利上げペースの減速期待がやや後退する中、この日はバーキン米リッチモンド連銀総裁が景気後退に陥る可能性があったしても、インフレ抑制のために大幅利上げを継続すべきと発言したことで利上げペースの減速期待が一段と後退した。


CMEのフェド・ウォッチが示す9月FOMCでの0.75%の利上げ確率は前日の41%から42.5%に上昇し、米10年債利回りは前日の2.88%台から2.98%台に上昇した。


国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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