先週の米国株は主要3指数がそろって大幅安
先週の米国市場ではダウ平均が2.10%安と5週ぶりに反落し、S&P500が2.06%安、ナスダック総合が3.35%安とともに3週続落となりました。
米連邦公開市場委員会(FOMC)で9月の利下げの可能性が示されたことが好感されたものの、7月ISM製造業PMIが予想以上に悪化したことに加え、7月雇用統計で非農業部門雇用者数や失業率も予想以上に悪化したことで景気後退(リセッション)懸念が強まりました。
決算発表ではメタが好決算を発表したものの、予想を下回る売上高や弱い見通しが嫌気されたアマゾンが8%超下落したことや、弱い見通しやレイオフを発表したインテルが26%安と急落したこともセンチメントの悪化につながりました。ナスダック総合は史上最高値から10%超下落し、「調整相場」入りとなりました。
年初来ではS&P500が12.09%高、ナスダック総合が12.09%高、ダウ平均が5.43%高となり、小型株指数のラッセル2000は4.06%高と、再びダウ平均をアンダーパフォームしました。
メガキャップの決算はメタが好調 アマゾン、マイクロソフトが失望
発表のピークを迎えた企業の第2四半期決算は、先週はS&P500採用の169銘柄が発表を終え、このうち79%の133銘柄で調整後一株当たり利益(EPS)が市場予想を上回りました。
注目されたメガキャップの決算は、売上高と利益が予想を上回ったほか、強い見通しを発表したメタ・プラットフォームズが週間で4.82%高となり、アップルはiPhone販売が減少したものの、iPad販売とサービス収入が好調で0.87%高となりました。
一方、アマゾン・ドット・コムは、第2四半期の売上高が予想を下回ったことや弱い第3四半期見通しが嫌気され週間で8.00%安となり、マイクロソフトは第2四半期の売上高と利益が市場予想を上回ったものの、クラウド部門のアジュール事業の売上高が予想を下回ったことが嫌気され、株価は5.89%安となりました。
この他の銘柄では、調整後EPSが市場予想を上回ったレスメド、ラボラトリーコープ、マッチ・グループ、C.H.・ロビンソン・ワールドワイドが週間で2桁高となり、ケロッ、エッツィ、クラフト・ハインツ、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ、TモバイルUS、ペイパルなども決算が好感され6-9%高となりました。
一方、予想を下回る決算や赤字見通し、レイオフなどが嫌気されたインテルが週間で31.48%安と急落しました。このほか、ウエスタン・デジタル、ラム・リサーチ、ブンゲ・グローバル、ノルウェジアン・クルーズ・ライン、クアルコム、ブッキング・ホールディングス、スカイワークス・ソリューションズなども決算やガイダンスが嫌気され2桁安となりました。
アップルの4-6月期決算はiPhone販売が減少したものの、iPad販売とサービス収入が好調
米アップルが8月1日引け後に発表した2024年度第3四半期(4-6月)決算は、売上高が前年同期比4.9%増の857億7700万ドルとなり市場予想の845億3100万ドルを上回りました。
純利益が同7.9%増の214億4800万ドルとなり、調整後の一株当たり利益は1.40ドルと市場予想の1.35ドルを上回りました。
カテゴリー別売上高は、iPhoneが前年同期比0.9%減の392億9600万ドル、ウェアラブル端末等が同2.3%減の80億9700万ドルとなりましたが、Macが同2.5%増の70億900万ドルなったほか、iPadは同23.7%増の71億6200万ドルとなり市場予想の66億1000万ドルを上回りました。
サービス収入も同14.1%増の242億1300万ドルとなり、市場予想の240億1000万ドルを上回りました。
株価は8月2日の取引で前日比1.50ドル高(+0.69%)の218.36ドルで終了し、週間では0.87%高と3週ぶりに反発。年初来では14.20%高となりました。
週明け5日の取引では株価が大幅反落。世界的にリスク回避の流れが強まる中、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイがアップル株の保有を約半分に減らしたことが嫌気されました。
株価は前日比10.59ドル安(-4.82%)の209.27ドルで終了し、年初来では8.69%高となりました。