1ドルショップの不振目立つ

先週は主要3指数がそろって下落 ナスダックは2022年1月以来の大幅安


先週の米国市場ではダウ平均が2.93%安、S&P500が4.25%安とともに4週ぶりに反落し、ナスダック総合は5.77%安と大幅に2週続落しました。

S&P500が2023年3月以来の大幅安となり、ナスダック総合は2022年1月以来の大幅安を記録しました。


2日がレーバーデーのため休場で4日間の取引でしたが、3連休明けの3日は8月ISM製造業PMIなどの経済指標が予想を下回り景気後退(リセッション)懸念が強まったほか、エヌビディアなどの半導体株に売りが強まり週明けから大幅安でスタートしました。

その後は金曜日の米8月雇用統計の発表を控えたもみ合いとなりましたが、8月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回り、米景気の先行き不安が高まりまったことで週末金曜日も再び大きく下落しました。


S&P500の11セクターは生活必需品(+0.56%)、不動産(+0.15%)の2セクターを除く9セクターが週間で下落しました。

ITが7.06%安、エネルギーが5.63%安、コミュニケーションが5.05%安となったほか、素材、資本財も4%超の下落となりました。

下落率トップのITでは半導体のエヌビディアが週間で13.86%安と急落し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は12.22%安となりました。


 


1ドルショップのダラー・ツリーが急落 予想以上の減益決算や見通し引き下げを嫌気


先週はハイテク・グロース株に利益確定売りが強まった一方、生活必需品が0.56%高とS&P500の上昇率トップとなり、ディフェンシブ・セクターへの資金シフトが見られました。


しかし、そうした中、1ドルショップのダラー・ツリー(ティッカー:DLTR)が予想以上の減益決算や通期見通しの引き下げが嫌気され急落しました。


ダラー・ツリーが9月4日に発表した2025年度第2四半期(5-7月)決算は、売上高が前年同期比0.7%増の73億7900万ドルとなりましたが、市場予想の74億8800万ドルを下回りました。純利益が同28.4%減の1億4340万ドルとなり、調整後の一株当たり利益(EPS)は0.67ドルと市場予想の1.04ドルを大きく下回りました。


2025年度通期については中・高所得者の消費減退を理由に、売上高見通しを従来の310億-320億ドルから306億-309億ドルに引き下げ、調整後EPSも従来の6.50-7.00ドルから5.20-5.60ドルに大幅に引き下げました。


株価は5日の取引で一時、前日比20.83ドル安(-25.51%)の60.82ドルまで下落し、18.09ドル安(-22.16%)の63.56ドルで終了。週間では21.29%安と大幅に3週続落し、年初来では53.19%安となりました。


 

ダラー・ゼネラルも弱い決算や見通し引き下げが嫌気され急落


同業のダラー・ゼネラル(ティッカー:DG)も弱い決算や見通し引き下げが嫌気され8月下旬に急落しました。


ダラー・ゼネラルが8月29日に発表した2024年度第2四半期(5-7月)決算は、売上高が前年同期比4.2%増の102億1000万ドルとなりましたが市場予想の103億6800万ドルを下回りました。純利益が同20.2%減の3億7419万ドルとなり、調整後の一株当たり利益(EPS)は1.70ドルと市場予想の1.79ドルを下回りました。


2024年度通期の見通しについては既存店売上高を前年同期比1.0-1.6%増とし、従来見通しの2.0-2.7%増から引き下げました。調整後EPSも従来の6.80-7.55ドルから5.50-6.20ドルに引き下げられました。


株価は8月29日の取引で一時、前日比39.84ドル安(-32.17%)の84.00ドルまで下落し、39.81ドル安(-32.15%)の84.03ドルで終了。8月26-30日の1週間では32.87%高となり、先週も0.47%安と安値圏での推移が続きました。先週末での年初来下落率は39.26%安となりました。





国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

羽土 美幸の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております