2025年2月14日の株式市場では、株式会社サンリオの株価がストップ高(制限値幅の上限)となり、株式分割後ベースで上場来高値を更新しました。
同社の人気キャラクター『ハローキティ』が50周年を迎えた施策などにより、連結業績予想の上方修正と期末配当予想の引き上げが発表され株価が急上昇したのです。
しかし筆者は近年のサンリオ人気の理由は「インターネット戦略」と「リバイバル」にあると予測しています。
今回は、サンリオの株価が上がった理由や配当と株主優待の内容、オリエンタルランドとの比較をお伝えしていきます。
サンリオの株価が上場来高値を更新!
2025年2月14日の株式市場で、株式会社サンリオの株価がストップ高(制限値幅の上限)となり、株式分割後ベースの上場来高値を更新しました。
同日、ホームページにて連結業績予想の上方修正と期末配当予想の引き上げの発表で好感受け買いを集めたと考えられます。
下図は、サンリオの直近5日間(2025年2月19日現在)の株価の推移です。
サンリオの2025 年3月期通期連結業績予想数値は以下のように修正されました。
出典:株式会社サンリオ「2025 年3月期通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」
修正の理由として「『ハローキティ』50 周年関連の施策や複数キャラクター戦略により好調トレンドが継続し、北米や中国のライセンス事業が牽引し大幅に伸長いたしました」という記載があります。さらに「『ハローキティ』50 周年関連の施策によりその他キャラクターの認知度が向上しており、特に人気キャラクターの『マイメロディ』50 周年および『クロミ』20 周年がスタートすることから、好調トレンドが継続すると予想」していることから上方修正となりました」とコメントされています。
サンリオは、株主優待や配当といった株主還元も積極的に行っています。
サンリオの株主優待と配当は?
サンリオの2021年~2025年3月期の配当金の推移を見ていきましょう。
出典:株式会社サンリオ「株主還元 1株当たり配当金、配当性向」
※1.サンリオピューロランド、ハーモニーランドで利用可能
※2. サンリオショップ、サンリオオンラインショップで利用可能。株主優待券から「Sanrio+」のスマイル(ポイント)へ変換できる
※3. 長期保有制度は、テーマパーク共通優待券や株主ご優待券に加え、3年以上継続保有される300株以上保有の株主様に対して贈呈。長期保有制度は2025年3月期より適用
テーマパークや店舗・オンラインショップで利用できる株主優待はサンリオのキャラクターが好きな方にとって、嬉しい内容となっています。
サンリオの株価が上がったのはなぜ?
上記の通り、連結業績予想の上方修正と期末配当予想の引き上げによりサンリオの株価は上昇しました。
同社は人気キャラクター『ハローキティ』の50周年などを修正の理由に挙げていますが、筆者はサンリオの人気はインターネット戦略と「リバイバル」にあるのではと予想します。
筆者はアラフォーで、小さい頃から『ハローキティ』『マイメロディ』『ポチャッコ』などのキャラクターが好きでグッズを集めていましたが、20~30代で離れた後、最近またサンリオグッズを購入するようになりました。
理由はサンリオのインターネット広告です。
最小に、人気のキャラクターを決める「サンリオキャラクター大賞」が毎年開催されておりSNSで流れてきたことをきっかけにサンリオのキャラクターに再び興味をもつようになりました。
さらにSNSで「はぴだんぶい【公式】」「キキ&ララ【公式】」では、キャラクター達の楽しい世界が垣間見え癒やされるうちに「推し」のキャラクターができていました。
SNSでは商品が紹介されることもありますが、ほとんどはキャラクター達が楽しく過ごす姿が投稿されており「商売っ気」はあまり感じられません。あくまでキャラクターが夢の世界で過ごす世界観を守っており、その見せ方が「上手い」と感じました。
またサンリオのキャラクターはハローキティを始め、他ジャンルとのコラボが盛んです。
他ジャンルで好きな作品とサンリオがコラボすると、通常よりグッズが大幅に早く売れることが分かりサンリオ人気に驚きました。
筆者のように、小さい頃サンリオが好きで一度離れたものの大人になり最近好きになる「リバイバル勢」が周りに多いように感じます。
一方で、東京ディズニーリゾートを経営するオリエンタルランドは株価が下降傾向にあります。
オリエンタルランドは、株価が下落
オリエンタルランドの1年間の株価の推移を見ていきましょう。
同社の株価は下降傾向にあります。
2024年12月29日の産経新聞によると「株価下落の背景には、テーマパーク入園者数の減少と業績の不透明感がある」と記載されています。
オリエンタルランドの2025年3月期の売上高は、第1四半期・第2四半期・第3四半期で全て前年を上回っているものの、営業利益・親会社に帰属する当期純利益は第1四半期・第2四半期・第3四半期全て前年を下回っています。
ただし、営業利益・親会社に帰属する当期純利益は大幅に減少したわけではなく「微減」程度です。今後の動向に注目していきましょう。
※上記は購入を推奨するものではありません。企業や財務の分析は筆者個人の見解に基づくものであり、筆者が所属する組織・団体の公式見解ではありません。
まとめ
サンリオの株価が上昇した理由と配当・株主優待の内容、オリエンタルランドについて解説しました。
2025年2月現在では明暗が分かれていますが、今後オリエンタルランドでも新たな施策が展開される可能性があります。今後の動向を見守っていきましょう。