著名個人投資家の井村俊哉氏が投資助言を行う公募投資信託「匠(たくみ)のファンド かいほう」(運用fundnote(東京都港区))が、2月の月次レポートを公表しました。
市場の注目度も高い井村ファンドの最新の月次レポートですから、公表を待ち望んでいた投資家の方も少なくないのではないでしょうか。
井村ファンドについては、募集早々に当初設定額の上限である100億円に達してしまったことから、一時申し込みを停止していましたが、2月14日から募集を再開。設定額を50億円分追加していました。
ですが、そちらもすぐに埋まってしまったのか、3月6日には追加枠を70億円分まで増額。加えて同月12日には、さらに150億円分まで受付上限を引き上げました。設定額いっぱいまで資金が集まった場合、純資産残高は250億円にまで膨らむことになります。
さて、運用実績の方ですが、こちらが2月28日基準で基準価額が10139円。前月末日でマイナス10円ととなりました。損益率でいえば-0.10%。設定来では+1.39%となっています。
ちなみに2月の日経平均株価の騰落を見てみると、同月は2カ月連続で下落しました。前月末比では2417円(-6.10%)安となる3万7155円となり、2024年9月19日以来の安値。月間の下落率6%超というのは、2022年12月以来の大きさということです。
2月上旬までは決算などを受けて買われる銘柄もあったように記憶していますが、下旬に円高・ドル安が進行、国内長期金利が上昇したほか、トランプ米大統領の関税政策をめぐって自動車など輸出関連を中心に売りが出たことが相場の重荷となりました。
主要指数が急落するなかでほぼ横ばいを維持できた点を考慮すると、井村ファンドの2月のパフォーマンスはなかなか良かったのではないでしょうか。
純資産総額については、前述したように申し込みを再開したことで1月末の101億円から137億円にまで増加。また、キャッシュ比率も現金が35%あったものが0.7%に低下しており、しっかり資金を銘柄に投入できています。1月末時点ではまだ中途だったポートフォリオの構築がほぼ完了したと言えるでしょう。
業種別構成
そのポートフォリオについては、やはり非開示となっていますが、一部業種などについては開示されています。業種別では銀行業が33.4%と全体の3分の1を占める割合となりました。これはかなり高い比率と言って良いでしょう。1月末時点では同割合は22.1%でしたから、10%超も上昇したことになります。
前述したように1月末ではまだ現金だったものや、2月の受け入れ再開後に集まった資金の一部を銀行業種の買い増しに充てているようですね。また組み入れ銘柄も1月は上位10銘柄のうち2銘柄が銀行でしたが、2月には3銘柄に増えています。
2番目に比率の高い業種は情報通信の17.7%です。情報通信業種については組み入れ上位10銘柄のうち、2位と10位の2銘柄が組み入れられており、比率の高さにつながっています。以下、3位が建設で8.1%、4位が輸送用機器7.5%、5位が金属製品7.2%、その他26.1%となっています。
時価総額別では300億円未満が11.6%、300億円~1000億円未満が32.7%、1000億円以上が55.0%となっております。1月末時点と比較すると現金が減ったぶん、すべての規模で比率が上昇していますが、特に1000億円以上の割合が大きく上昇しています。
ここまでをまとめると。時価総額1000億円以上の銀行株への投資を実施したことが推察される内容となっています。3月に入り、地合いの影響もあって日経平均は軟調な推移が続いていますが、銀行株は堅調さが目立っており、井村ファンドのパフォーマンスも好調のもよう。3月12日時点の基準価額は前述した2月末の10139円から上昇し、10204円となっています。
日銀の利上げなどが意識されて国内金利の上昇基調がつづいているなかで、今後も高パフォーマンスが期待できそうですね。