(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.11円(前営業日比△0.37円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=144.08円(△0.23円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9997ドル(▲0.0009ドル)
ダウ工業株30種平均:31774.52ドル(△193.24ドル)
ナスダック総合株価指数:11862.13(△70.23)
10年物米国債利回り:3.32%(△0.06%)
WTI原油先物10月限:1バレル=83.54ドル(△1.60ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1720.2ドル(▲7.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標) <発表値> <前回発表値>
前週分の米新規失業保険申請件数 22.2万件 22.8万件・改
7月米消費者信用残高 238.1億ドル 390.6億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日続伸。財務省・日銀・金融庁の3者会合後に神田財務官が「明らかに過度な変動だ。ファンダメンタルズだけでは正当化できない。あらゆる措置を排除せず、為替市場において必要な対応を取る準備がある」と述べ、円安を強くけん制すると円買い・ドル売りが先行。米10年債利回りが一時3.19%台まで低下したことも相場の重しとなり、20時30分過ぎに一時143.32円と日通し安値を更新した。
ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が金融政策に関するオンライン討論会で「FRBはインフレが低下するまで行動を維持する必要」「歴史は金融緩和への早すぎる転換を強く戒めている」などと述べ、インフレ抑制のため強く行動することを改めて表明すると、144.44円付近まで持ち直した。もっとも、そのあとは新規材料難から144.00円を挟んだ狭いレンジ取引に終始した。
・ユーロドルは小反落。欧州中央銀行(ECB)はこの日開いた定例理事会で、0.75%の大幅利上げに踏み切り、成長見通し悪化の中でもインフレ抑制を優先し、今後数回の追加利上げを実施する方針を表明した。欧州金利の上昇とともにユーロ買いが強まると、一時1.0029ドルと日通し高値を更新した。
ただ、ラガルドECB総裁が理事会後の会見で「今後数回の理事会で一段の利上げを予想する。おそらく今回を含めて2回より多く5回より少ない」と述べた一方、「次回の利上げは0.75%である必要はない。0.75%は標準ではない」と発言すると、大幅利上げが続くとの観測がやや後退しユーロ売りが出た。22時0分前には一時0.9931ドルと日通し安値を更新した。
もっとも、ECB当局者の話として「10月理事会での0.75%利上げを排除しない」と伝わると、1.0000ドル付近まで下げ渋った。
・ユーロ円は5日続伸。ECBが大幅利上げに踏み切ったことを受けて一時144.29円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた2015年1月以来の高値144.32円がレジスタンスとして意識されると失速。ラガルドECB総裁の発言も相場の重しとなり、一時143.18円と日通し安値を付けた。
ただ、「来月の理事会で0.75%の利上げが実施される可能性を排除しない」との報道が伝わると、144.10円付近まで強含んだ。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。パウエルFRB議長がインフレ抑制のため強く行動することを改めて表明したほか、ECBが大幅利上げに踏み切り、タカ派姿勢を明確にすると売り先行した。ただ、足もとで相場下落が続いたあとだけに、短期的な戻りを期待した買いが入ると指数は上げに転じた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。ECBが大幅利上げに踏み切り、タカ派姿勢を明確にしたことで欧州債相場が下落。米国債にも売りが波及した。パウエルFRB議長がインフレ抑制のため強く行動することを改めて表明したことも相場の重し。
・原油先物相場は反発。中国でのロックダウンを受けて需要鈍化が意識され、時間外では一時81.20ドルまで下落した。ただ、一巡後は押し目を拾う動きが広がり84.25ドルまで大幅に反発した。
・金先物相場は反落。パウエルFRB議長がオンライン会合でインフレ抑制に取り組んでいる姿勢を改めて表明したことで利上げ期待から米金利が上昇。金利を生まない金に売りが集まった。