(9日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.47円(前営業日比▲1.64円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.15円(▲0.93円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0042ドル(△0.0045ドル)
ダウ工業株30種平均:32151.71ドル(△377.19ドル)
ナスダック総合株価指数:12112.31(△250.18)
10年物米国債利回り:3.31%(▲0.01%)
WTI原油先物10月限:1バレル=86.79ドル(△3.25ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1728.6ドル(△8.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標) <発表値> <前回発表値>
7月米卸売売上高(前月比) ▲1.4% 1.6%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は5日ぶりに反落。前日の財務省・日銀・金融庁の3者会合に続き、本日も黒田日銀総裁や鈴木財務相などから円安を強くけん制する発言が相次いだため、アジアや欧州市場では円買い・ドル売りが優勢となった。20時前に一時141.51円と日通し安値を更新した。
ただ、積極的な金融引き締め政策が長期化するとの観測が強まる米連邦準備理事会(FRB)と、大規模な金融緩和策を維持する日銀との金融政策の方向性の違いが意識されて、円売り・ドル買いが出やすい地合いに変わりはなく、NY市場に入ると買い戻しが進んだ。21時30分前には142.82円付近まで持ち直した。NY中盤以降は週末とあって142円台半ばでのもみ合いに終始した。
なお、ブラード米セントルイス連銀総裁は「今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の利上げ実施に賛成することに傾いている」と述べたほか、ウォラーFRB理事は「今月のFOMCでは再度の大幅利上げを支持する」と述べ、0.75%利上げを支持することを示唆した。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、20-21日のFOMCでは通常の3倍にあたる0.75%の利上げ確率が約90%まで上昇した。
・ユーロドルは反発。欧州市場序盤に一時1.0113ドルと日通し高値を付けたものの、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。ユーロ圏経済の減速懸念が根強い中、ユーロの戻りを売りたい向きは多く、0時30分過ぎには1.0032ドル付近まで下押しした。
なお、NY時間には「10月の欧州中央銀行(ECB)理事会では0.75%ではなく0.50%の利上げの可能性が高い」とのリポートや、「ECBは10月初旬にバランスシートの縮小に関する議論を開始することに合意した」とのFT報道が伝わった。
・ユーロ円は6日ぶりに反落。アジア時間に一時144.72円と2014年12月以来の高値を付けたものの、政府・日銀による円安けん制発言が相次ぐと一転売りが優勢に。20時前には一時142.64円と日通し安値を更新した。売り一巡後は143.44円付近まで下げ渋ったものの、NY中盤以降は143円台前半で値動きが鈍った。総じてドル円と似た動き。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。主要中銀の大幅な金融引き締めが世界景気を冷やすとの警戒感は根強いものの、足もとで米長期金利の動きが落ち着いていることから、投資家心理が改善し株買いを誘った。市場では「このところ下げがきつかったハイテク株中心にショートカバーが強まった」との声が聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に3日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは小反発。欧州債相場が上昇したことで米国債にも買いが先行したものの、FRBの金融引き締めが長期化するとの観測を背景に売りも出やすく引けにかけて上げ幅を縮めた。
なお、金融政策の影響を受けやすい2年債利回りは一時3.5731%前後と2007年11月以来の高水準を付けた。
・原油先物相場は続伸。ロシアによる石油供給の停止、OPEC+による減産発表などを受けて供給懸念から買いが優勢となった。
・金先物相場は反発。外国為替市場でドル安が進むと、ドル建て商品である金には割安感が広がって買いが強まった。一方、米中期金利が上昇したため、金利を生まない金にとっては重しとなった。