直近の貴金属市場ではゴールドやシルバーなどの価格がめまぐるしいほどの値動きの荒さを見せています。
2025年からゴールド、シルバーともに価格は上昇基調が続いていました。特にシルバーの上げ幅が大きく、2025年に前年比2倍超に上昇しましたが、2026年にさらに上昇し、1トロイオンス120ドルと史上最高値を付けるほどです。それにはおよばないものの、ゴールドの上昇ピッチも早く、こちらも1トロイオンス5500ドルと最高値を更新しました。
シルバーがゴールドよりも上昇率が大きかったことには、いくつか要因が考えられますが一つには中国の規制が影響したと思われます。2026年はじめに中国によるシルバーの輸出規制が発効しました。
シルバーは宝飾向けのみならず、産業用途として太陽光発電やAIデータセンター向けなどでも必要とされます。そのため、中国輸出規制をきっかけに需給がひっ迫するとの見方から、手元に銀地金を確保しようとする企業の買いが集中しました。そして、その値上がりを見た投機勢も買いを入れたことで、一気に上昇ペースが加速したものと思われます。
ですが、1月末から2月初旬にかけて、一転してシルバーやゴールド、プラチナと言った貴金属らは歴史的な暴落に見舞われました。わずか1日から2日の間に、シルバーは34%、ゴールドは13%もの下げを記録しました。
純銀上場信託(現物国内保管型)<1542.T>の日足チャート

上記のチャートは銀の先物価格に連動することをめざすETFの価格推移を示したものですが、値動きの大きさを見ると言葉もないほどです。
なぜここまでの下げになったのか、マーケットではさまざまな解説がなされていますが、そのなかで「春節」という季節的要因が影響したという説があります。
これは中国の長期休暇である春節を前に、中国系のヘッジファンドや投機家たちが一斉にポジションをクローズする(利益確定)動きが引き金になったという指摘です。今回の貴金属相場は、中国の国内要因が強く影響していたとされています。長引く不動産不況や自国通貨(人民元)への不信感から、中国の投資家にとってゴールドやシルバーは「資金の逃避先」として人気化していました。この過熱したポジションが春節を前に一気に逆回転を始めたというわけです。
CMEなどの取引所による証拠金引き上げがあったところに、今回の暴落が重なったことで、レバレッジをかけていた投機勢は強制的な決済に追い込まれました。売りが売りを呼ぶ連鎖反応が起き、ここまでの下げ幅になった可能性があります。
急落後、やや価格を戻していた貴金属市況ですが、2月5日には再び急落するなど、まだ市場が落ち着板とは言えない状況です。加えて、2月中旬にじゃ本格的な春節の休暇が始まります。中国勢がさらに売ってくるのか、もしくは春節明けに再び買いで参戦してくるのか。動向を注視してみたいと思います。



