運用会社のfundnote(東京都港区)は、公募投資信託「匠(たくみ)のファンド kaihou(かいほう)」について2025年12月分の月次レポートを公開しました。
著名個人投資家の井村俊哉氏が投資助言を行う投資信託であり、別名「井村ファンド」とも呼ばれる投資家に人気の同ファンドですが、同月のパフォーマンスは、基準価額が15392円。前月比で459円(3.07%)高となりました。設定来では53.92%の上昇です。
同月の日経平均株価は前月比85円(0.17%)高となり、ほぼ横ばい。TOPIXのパフォーマンスが同プラス0.9%、グロース250指数はマイナス3.5%でした。
日経平均はAI関連銘柄の一部が調整したことや日銀の利上げなどから伸び悩みましたが、金利高や為替がドル高円安気味に推移したことから輸送機器や銀行などの一角が買われ、TOPIXは堅調。税制面の影響から損出しの動きが活発だったグロース市場はさえないパフォーマンスとなりました。
そのなかで安定したパフォーマンスを発揮している同ファンドはさすがと言えるでしょう。
組み入れ上位銘柄

組み入れ上位10銘柄については、またしても大きく入れ替わっています。11月末時点で組み入れトップだった大垣共立銀行<8361.T>は12月22日に提出された変更報告書で明らかになっている通り、全株をありあけキャピタルに売却しています。
かわりに組み入れトップとなったのは、おそらくですが、前回組み入れ2位だった川田テクノロジーズ<3443.T>。組み入れ比率は14%で11月末時点から変化はありません。
2位は業種が電気機器で組み入れ比率は8%。こちらも前月3位からの繰り上がりで日本CMK<6958.T>と予想されます。
3位は保険業で組み入れ比率が8%。保険業種については、11月時点では組み入れ上位に入っていませんでしたから、新たに買い入れた銘柄であると思われます。
4位に入っている化学業種(組み入れ比率7%)については、おそらく11月末時点では同7位(組み入れ比率4%)だった銘柄と推察されます。
11月末に4位だった建設業(組み入れ比率6%)と5位だったサービス業(組み入れ比率5%)はそれぞれ5位(同7%)、7位(同6%)に順位を落としています。このうち5位については、1月9日受付分の大量保有報告で明らかになったヤマト<1967.T>であると思われます。
新たに組み入れた銘柄や買い増したもあると思われる一方、組み入れトップだった大垣共立銀行を売却した影響から、キャッシュ比率は6%から13%と大きく上昇しており、さらなる買い付け余力は十分と言えます。次に同ファンドが目を付ける銘柄がどれになるのか、また新たに大量報告書などが提出されるのか、2026年初から動きがありそうです。
また、動きがあると言えば、レポートの中で井村氏からのメッセージとして面白い一文がありました。引用すると「運用開始から約一年、この間に100億円以上の運用成果を獲得し、わが国の家計に貢献できたことは望外の喜びです。ですが、内部的には多くの課題を認識し、「助言の限界」を感じた一年でもありました。①勧誘行為ができない=受益者と直接的・主導的に対話ができない、②発注ができない=Kaihouが考える最良執行ができない、③名義株主でも実質株主でもない=そもそも運用会社ですらない。ニッポンの家計に貢献し、そしてニッポンを解放するために、純白の部屋に落ちる髪の毛一本の妥協もしたくないのです。1月24日に受益者向け説明会「腹割会」で本音の対話を予定しています」ということです。
素直に受け取るとKaihouではできないこともあるため、助言業ではなく井村氏自身が運用する新たなファンドを立ち上げたりといったこともあるのかもしれません。1月24日の説明会の内容にも注目したいところです。



