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MCLL関連として注目される材料メーカー

足もと、MLCC(積層セラミックコンデンサ)関連株の上昇がものすごいことになっています。あまりの上昇ぶりに、直近では過熱感から調整する場面も見られてはいますが、それでも大手の村田製作所<6981.T>や太陽誘電<6976.T>などは、2026年初から約3-4倍の水準まで上昇しています。


この背景にあるのが、「AI特需」です。AIサーバー1台に搭載されるMLCCの数は従来の一般サーバーの数倍から10数倍にもおよび、さらに超小型・大容量という高いスペックが要求されます。


需要逼迫を背景に、前述した村田製作所や太陽誘電などのMLCC大手は製品の値上げに踏み切ったことなども報道で伝わっており、これが業績拡大への期待感として株価を大きく押し上げています。


MLCCの増産と値上げの波は、主原料である「チタン酸バリウム」にも変化をもたらしています。チタン酸バリウムには取引所による一律の市況価格が存在せず、基本的に素材メーカーとMLCCメーカーの「相対交渉」で価格が決まるため、正確な価格は非公開ですが、現在のMLCC株の上昇と連動するかたちで、チタン酸バリウムの取引価格も上昇傾向にあると判断できます。


AIサーバーなどの最先端分野で使われる超小型・大容量のMLCCには、粒子の大きさが数百ナノメートル以下で均一な、極めて高品質なチタン酸バリウム(ナノグレード品)が必要となります。技術的なハードルが高いこの高性能品は、従来の家電向けなどの汎用品に比べて販売単価が高く、市場全体の平均単価を押し上げる格好となっています。また、素材の製造には高温での焼成プロセスが必要なため、エネルギーコストの上昇を抱えていた素材メーカー側にとっても、MLCC需要が強い現在の環境は「価格転嫁」を進めやすい良好な環境となっています。


堺化学工業の日足チャート


実際に、チタン酸バリウムを手がける国内の素材メーカーの業績は堅調に推移しています。例えば、世界シェアでトップクラスを誇る堺化学工業<4078.T>の決算をみると、電子材料事業における「誘電体(チタン酸バリウムなど)」はAIサーバー関連や車載向けが好調に推移し、同社の成長事業として収益を支えています。


また、同じくMLCC向けチタン酸バリウムの有力サプライヤーである日本化学工業<4092.T>も、この電子材料分野が収益の牽引役として株式市場で改めて評価されています。


日本化学工業の日足チャート


各社の株価はさすがに過熱感が意識される水準で、高値から調整する場面も見られています。ですが、今回のMLCC市場の活況は、単なる一時的なサイクルではなく社会のデジタルインフラ転換に伴う構造的な需要増である可能性が意識されてのことでしょう。今後どこまで需要が拡大するのか見極めるためにも、上流の素材メーカーの業績動向にも目を向けることは、次の投資のヒントにつながるのではないでしょうか。


日本株情報部 アナリスト

斎藤 裕昭

経済誌、株式情報誌の記者を経て2019年に入社。 幅広い企業への取材経験をもとに、個別株を中心としたニュース配信を担当。

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