【支持線と抵抗線の交代】

支持線と抵抗線

「支持線」や「抵抗線」は、過去の安値や高値の節目のことです。支持線は買い勢力が売り勢力を上回った水準を意味しています。抵抗線は売り勢力が買い勢力を上回った水準を意味しています。


支持線は抵抗線に変わる

支持線は抵抗線に役割が交代することがあります。上昇トレンドから下落トレンドに転じると、直前の上昇トレンドで発生した支持線(安値)が抵抗線になることがあります。下降トレンドでは、直前の上昇トレンドで引かれた支持線(安値)を上から順に割り込んでいくことが下落トレンドの継続を確認するサインとなります。反対に、支持線(安値)を割り込まないようなら、反騰に転じる可能性が高くなることになります。


下落トレンドが継続していると考える市場参加者が多ければ多いほど、割り込んだ支持線に接近すると、その水準を上回ることはないと考える投資家の手仕舞いの売りや新規の売りが増加し、下落に転じる場合があります。これが下落局面で一度割り込んだ支持線が抵抗線に変わる仕組みです。


図表1は、ソニー(6758)の日足チャートです。高値から下落基調に転じたあと、かつての支持線を下回り、次の反発局面では抵抗線になったことがわかります。


抵抗線は支持線に変わる 

抵抗線は支持線に役割が交代することがあります。下落トレンドから上昇トレンドに転じると、直前の下落トレンドで生じた抵抗線(戻り高値)が支持線となることがあります。上昇トレンドでは、直前の下落トレンドで引かれた抵抗線(戻り高値)を下から順番に突破していくことが上昇トレンドの継続を確認するサインとなります。反対に、抵抗線(戻り高値)を突破できないようなら、反落に転じる可能性が高くなることになります。


上昇トレンドが継続していると考える市場参加者が多ければ多いほど、上回った抵抗線に接近すると、その水準を下回ることはないと考える投資家の押し目買いや売り方の買い戻しが増加し、上昇に転じる場合があります。これが上昇局面で一度上回った抵抗線が支持線に変わる仕組みです。


図表2は、クボタ(6326)の日足チャートです。安値から上昇基調に転じたあと、かつての抵抗線を上回り、次に反動安となる場面では支持線になったことがわかります。


日本株情報部 チーフストラテジスト

東野 幸利

証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。 マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。世界主要指数や個別株を対象にテクニカル・ストラテジーの提案。 日経CNBC「夜エクスプレス」、日経チャンネル「マーケッツのツボ」、テレビ東京「モーニングサテライト」、ラジオ日経(金曜後場マーケットプレス)など 会社四季報プロ500、ダイヤモンド・ザイ、日経マネー、株主手帳など 金融機関向けコラム「相場一点喜怒哀楽」 IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA) 日本テクニカルアナリスト協会理事 CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務) DCアドバイザー(確定拠出型年金教育・普及協会)

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