今回解説していく通貨はニュージーランド(NZ)ドル米ドル(NZD/USD)です。テクニカル面では2021年からの下落トレンドを維持。足もとでトレンドブレイクのチャンスを探っているところですが、0.6000米ドルを超えられるかどうかが鍵となりそうです。
ファンダメンタルズではNZ中銀が金融引き締め方針へと転換。今後の追加利上げ方針も示しており、インフレ動向次第ではさらに金利先高観も強まる可能性があるでしょう。
今後のNZドル米ドルの相場焦点:NZ中銀は金融引き締め局面に移行
まずはNZの現在の金融政策状況を確認していきます。
NZ準備銀行(RBNZ、中央銀行)は2024年8月から金融緩和を開始。2025年11月に政策金利を2.25%まで引き下げた後、今年7月から金融引き締め局面へと移行しました。現在の政策金利は2.50%です。
●RBNZが金利の引き上げを決めた7月直近会合での声明文では
・現在の政策金利の水準が依然として緩和的であると評価
・今後の会合においてさらなる政策金利の引き上げが必要となる可能性が高いとみられるものの、そのタイミングについては極めて不確実であるということで一致
・インフレ率は今後12カ月で2%程度まで低下すると見込まれる
・インフレ率は2027年半ばに目標中央値に戻ると予測
などの見解が示されました。
NZ中銀は今後の追加利上げ方針を示唆した一方、インフレは既にピークに達して今後は低下していくとの見通しを示しました。声明では「インフレ率は2026年6月期に3.9%でピークを付けた後、同年9月期には3.3%に低下する」と予想しています。
ただ、その後に公表された4-6月期の消費者物価指数(CPI)は前年比4.1%となり、中銀の見通しを上回る結果となっています。今後もインフレ率が中銀の見通しから上振れる流れが続いた場合、NZの金利先高観もさらに強まる可能性がありそうです。
NZドル米ドルの週足分析:トレンド転換の判断は0.6000米ドル超え
下図はNZドル米ドルの週足チャートになります。
現在は2021年2月高値を始点とする下降トレンド(チャート上の黄色実線)が継続中。足もとでは下値を切り上げる動きを見せており、同トレンドラインを試す流れとなるか注目されます。
もっとも、トレンドラインを上抜けたとしてもすぐにトレンドが転換したと判断するべきではありません。5月29日につけた直近高値の0.5994米ドル、もしくは心理的な節目である0.6000米ドルの上抜けまでは判断を待ちたいところです。
NZドル米ドルの日足分析:上攻めのチャンスもリスク管理は忘れずに
今度はより短期的なチャートから0.6000米ドル超えの可能性を探っていきましょう。下図はNZドル米ドルの日足チャートです。

チャート下部の「DMI」によると、今月に入って+DI>-DI(上昇トレンド)への転換を示唆。トレンドの強さを示すADXも高い水準を維持しており、上値を伸ばすチャンスはありそうです。
その一方で、今年2月からの相場は上値・下値をともに切り下げてきた典型的な下落トレンドにあります。今回の上攻めが失敗した場合は6月26日につけた直近安値の0.5626米ドルを下回る水準まで売りに押される可能性もあるだけに、上値の重さが確認された際には売り方針に転換するべきでしょう。もしくは現時点から0.6000米ドルを目処にした戻り売り方針で臨んでもよさそうです。
今後の取引材料・変動要因をチェック:NZ中銀の次回会合は9月前半
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は米国の金融政策。ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長の下で新体制に移行した米連邦公開市場委員会(FOMC)ですが、ウォーシュFRB議長は金利見通し(ドット・チャート)に否定的な見解を示すなど、早速自身の色を見せ始めてきました。当面はインフレ指標などを丁寧に確認しながらFRBの方針を探る必要があるでしょう。
なお、連続利上げの可能性も高まっているNZ準備銀行(RBNZ)ですが、次回の金融政策決定会合は9月2日に予定されています。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
7月28-29日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)
7月30日 米国 6月PCEコア・デフレーター
8月7日 米国 7月米雇用統計
8月12日 米国 7月消費者物価指数(CPI)



