市場動向
2026年7月の暗号資産市場は、主要銘柄を中心に上昇しました。BTCは対ドルで月間約7.3%上昇し、ETHは約18.5%上昇しました。
同期間、暗号資産全体の時価総額は約2.11兆ドルから約2.26兆ドルへと拡大しました。月間では約7.1%増となり、市場全体でも持ち直す動きがみられました。BTC、ETHはいずれも上昇し、特にETHの上昇幅が大きくなりました。
現物ETF市場では、BTC、ETHともに月間ベースで純流入となりました。BTC現物ETFでは流入と流出が交錯したものの、月間では純流入を確保しました。ETH現物ETFも月間で純流入となり、流入額はBTC現物ETFを上回りました。
一方、ステーブルコインの供給総額は月間で約1.6%減少しました。オンチェーン上の待機資金は小幅に縮小したものの、DeFiプロトコルへの預入資産の規模を示すTVL(Total Value Locked)は、月間で約7.3%増となりました。
短期的には、ETFフローに加え、ステーブルコイン供給総額やTVLの推移が市場の地合いをみるうえで引き続き注目されます。
BTCやETHの価格推移
2026年7月のBTCは月初の約58500ドルから、月末には約62800ドルまで上昇しました。月間では約7.3%の上昇となり、月中に振れを伴いながらも、全体としては持ち直す展開となりました。
現物ETF市場では月間で純流入が確認されており、BTCの需給面では一定の下支えとなったとみられます。

※BTCドル、日足チャート 出所:TradingView
ETHも月初の約1570ドルから月末には約1860ドルまで上昇しました。上昇率は約18.5%となり、BTCと比べても上昇幅は大きくなりました。主要銘柄のなかでは、ETHの堅調さが目立ちました。

※ETHドル、日足チャート 出所:TradingView
ETFフロー
2026年7月の現物ETF市場では、BTC、ETHともに月間ベースで純流入となりました。日によって流入と流出が交錯したものの、月間では資金流入が優勢となりました。
BTC現物ETFは、7月合計で約1.72億ドルの純流入となりました。2日、6日、20日、21日、30日には比較的大きな資金流入がみられました。一方、1日、13日、23日、24日、31日には比較的大きな資金流出がみられ、特に13日には約4.25億ドルの大幅な純流出となりました。それでも月間ベースでは純流入を確保しました。

※BTC現物ETF、日次資金フロー 出所:sosovalue
ETH現物ETFは、7月合計で約3.65億ドルの純流入となりました。8日、14日、15日、22日には比較的大きな流入がみられ、特に22日には約7264万ドルの純流入となりました。一方、9日、16日、24日、29日には比較的大きな流出がみられ、24日には約7062万ドルの純流出となりました。流出日もみられたものの、月間では純流入となりました。

※ETH現物ETF、日次資金フロー 出所:sosovalue
BTC現物ETFでは日ごとの資金フローの変動が大きくなりましたが、月間では純流入となりました。ETH現物ETFも一部の日に流出がみられたものの、月全体では流入優勢となり、純流入額はBTC現物ETFを上回りました。
オンチェーンデータ
2026年7月末時点では、主要暗号資産の価格が上昇する一方、オンチェーン指標はまちまちな動きとなりました。ステーブルコインの供給総額は小幅に減ったものの、DeFi TVLは増加しました。
ステーブルコインの供給総額は、月間では約3102.9億ドルから約3054.6億ドルへと減少しました。月間では約1.6%減となり、オンチェーン上の待機資金は小幅ながら縮小しました。主要銘柄が上昇し、ETFフローも純流入となる一方、ステーブルコイン市場では供給総額が月間で減少しました。

※ステーブルコイン供給総額 出所:defillama
DeFiセクターのTVL(Total Value Locked)は、月初の約689.6億ドルから月末には約739.8億ドルへと拡大しました。月間では約7.3%増となりました。ステーブルコイン供給総額が縮小した一方、DeFi TVLは増加しており、主要暗号資産の価格上昇を背景に、同分野の預入資産額には持ち直す動きがみられました。
暗号資産関連ニュース
2026年7月は、米国を中心に、暗号資産市場の制度整備や既存の金融制度への統合に向けた動きが進みました。日本でも、暗号資産を金融商品として位置付ける法改正が成立しました。
米国では、米上院共和党が7月22日、暗号資産市場の包括的な規制枠組みを定める「CLARITY Act」の法案文を公表しました。同法案には、SECとCFTCの管轄区分の明確化に加え、ステーブルコインの報酬、マネー・ローンダリング対策、DeFi、トークン化証券などに関する規定が盛り込まれています。法案の成立には民主党議員の支持も必要であり、引き続き協議の行方が注目されます。
また、ステーブルコイン「USDC」を発行するCircleは7月10日、米通貨監督庁(OCC)から国法信託銀行「Circle National Trust」の設立に関する最終承認を取得しました。当初はCircleおよび関連会社向けのデジタル資産保管サービスを提供する予定で、将来的にはUSDCの準備資産管理などへの展開も計画しています。デジタル資産の保管業務が連邦政府の監督下に置かれる動きとして注目されます。
さらに、米財務省と英財務省は7月14日、デジタル資産やトークン化された金融取引を含む将来の資本市場に関する共同提言を公表しました。両国間の規制協力を強化するとともに、トークン化された金融活動のルール明確化や、国境を越えた資本取引の円滑化を進める方針を示しました。
日本では、暗号資産を金融商品取引法上の金融商品として位置付ける改正法が7月15日に成立しました。改正法には、暗号資産取引へのインサイダー取引規制の導入、発行事業者に対する情報開示義務、無登録業者への罰則強化などが盛り込まれています。暗号資産を決済手段としてだけでなく、投資対象としても規制する枠組みが整備され、国内市場の利用者保護を強化する動きとなりました。



