食費を少しでも抑えたいと考え、食品会社の株主優待に注目する方も多いのではないでしょうか。今回は、「業務スーパー」の神戸物産と、「サク山チョコ次郎」で有名な正栄食品工業を比較します。株主優待と配当がいつもらえるのかを、使い方や利回りとあわせて解説していきます。
神戸物産(業務スーパー)vs正栄食品工業(サク山チョコ次郎)
下記の一覧表は、神戸物産と正栄食品工業の株価、株主優待の権利確定日、株主優待内容、配当の権利確定日、配当金額、利回りの比較です。普段から業務スーパーで買い物をする人には神戸物産、お菓子やナッツが好きなご家族には正栄食品工業が向いています。
2社とも10月31日が権利確定日で、正栄食品工業は4月30日にも株主優待と配当の権利が確定します。2026年は10月31日が土曜日のため、権利付き最終日(この日までに買えば株主優待と配当の権利を得られる最終日)は10月28日(水)となっています。

神戸物産(3038)
神戸物産は、業務用の食品を一般の人にも安く販売する「業務スーパー」を、フランチャイズで全国1144店舗(2026年7月末)展開する企業です。また、ビュッフェ形式のレストラン(神戸クック・ワールドビュッフェ)や再生可能エネルギーの事業も行っています。
神戸物産の株価下落の理由は?
2026年9月末時点の株価は約3100円です。2025年には約4900円の高値をつけましたが、2026年に入って一時約2500円まで下がり、その後やや持ち直しています。
株価が下がったのは、為替の変動で輸入品の仕入れにかかる費用が増え、利益の伸びが鈍っているためと考えられます。会社の予想では、売上は増えるものの、最終的に手元へ残る利益は2026年度(2026年10月までの1年間)に前年度より約8%減る見込みです。
神戸物産の株主優待は業務スーパーで使えるGyomucaカードって何?
神戸物産の株主優待は、毎年10月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に対し、保有株数と保有期間に応じてGyomucaカードが贈呈されます。100株なら1000円分で、3年以上続けて保有すると3000円分に増えます。
Gyomucaカードは、業務スーパーで使える電子マネーのカードです。2025年10月末の権利確定分から、それまでのJCBギフトカードに代わってGyomucaカードになりました。
3年以上とは、4月末と10月末の株主名簿(会社が管理する株主の一覧)に、同じ株主番号で続けて7回以上載っていることを指します。途中で全部売ったり、別の証券会社へ株を移したりすると番号が変わり、数え直しになることがありますのでご注意ください。保有株数と保有期間に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。

株主優待の使い方
Gyomucaカードは、業務スーパーのレジで支払いに使える電子マネーで、残高は最後に使った日から3年間有効です。ただし使えるのはGyomuca取扱店舗だけで、2025年6月時点では538店舗でした。会社は対応する店舗を順次広げていて、近くの店舗で使えるかは業務スーパーの店舗検索で確かめられます。
近くに取扱店舗がない場合は、全国の加盟店で使える商品券「VJAギフトカード」か、神戸物産グループの商品の詰め合わせに同じ金額で引き換えることが出来ます。ただし、引き換えの受付には期限があり、過ぎると引き換えられないのでご注意ください。期限はカードに同封された説明書きに書かれています。
神戸物産の配当金は年間32円予想、いつもらえる?
2026年度の配当金は、10月末の期末配当のみで年間1株当たり32円となる予想で、2025年度の30円から増配する見込みです。中間配当はありません。
株主優待のGyomucaカードは毎年1月中旬に発送され、期末配当は2026年1月9日から支払われました。10月28日までに買って持ち続けていれば、年明けに配当と株主優待がそろって届く予定となります。
神戸物産の配当利回りは約1.0%、合計は約1.4%
1株3100円で100株購入した場合、投資金額は31万円です。配当金は年間3200円なので、配当利回りは約1.0%になります。
株主優待は1000円分のGyomucaカードで優待利回りは約0.3%、合わせた利回りは約1.4%です。3年以上保有すると優待が3000円分になり、合わせた利回りは約2.0%まで上がります。保有株数に応じた利回りは、下記の表をご参照ください。

正栄食品工業(8079)
正栄食品工業は、ドライフルーツやナッツ、お菓子やパンの材料などを海外から仕入れて販売する食品の専門商社です。また、グループ会社の正栄デリシィが「サク山チョコ次郎」などのお菓子を作っています。コンビニなどで見たことがある方は多いのではないでしょうか?
正栄食品工業の株価上昇の理由は?
2026年9月末時点の株価は約4500円です。2023年には約5300円の高値をつけ、2024年には約3900円まで下がりましたが、2026年に入って上昇しています。
株価が上がっているのは、業績が伸びて配当を大きく増やす予想を出したためと考えられます。2026年度は売上と利益がそろって増える見込みで、手元へ残る最終利益は前年度より約32%増える予想です。
正栄食品工業の株主優待は年2回のお菓子詰め合わせ、今年はQUOカードも
正栄食品工業の株主優待は、毎年4月末と10月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に対し、自社グループ商品の詰め合わせが贈呈されます。中身はドライフルーツやナッツ、お菓子などで、肝心の「サク山チョコ次郎」が入るかどうかは公表されていません。
これに加えて、2026年10月末のみ、設立80周年を記念した特別優待としてQUOカードが贈呈されます。保有期間が1年未満なら500円分、1年以上なら1000円分です。
また、200株以上を1年以上続けて保有する株主には、2027年10月末から長期保有優待のQUOカードが年1回贈呈されます。1年以上とは、4月末と10月末の株主名簿に同じ株主番号で3回続けて載ることです。保有株数と保有期間に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。

株主優待の使い方
お菓子詰め合わせは、権利確定日の時点で登録している住所に届くため、手続きは不要です。届く時期は、4月末の権利確定分が11月中旬ごろ、10月末の分が翌年5月中旬ごろで、権利確定から半年ほどかかります。
引っ越しで届け先が変わった場合は、会社のウェブサイトの問い合わせフォームか電話で変更を受け付けています。特別優待のQUOカードは2027年1月末以降に届き、全国のコンビニや書店などで使えます。
正栄食品工業の配当金は年間90円に大幅増配予想、いつもらえる?
2026年度の配当金は、4月末の中間配当45円と10月末の期末配当45円を合わせて、年間1株当たり90円となる予想です。2025年度の60円から、1.5倍に増える見込みです。
中間配当は2026年7月10日から支払われ、期末配当の支払日は12月の決算発表で案内されます。中間配当の権利確定日(4月30日)はすでに過ぎているため、今から買った場合に対象になるのは期末配当の45円となります。
正栄食品工業の配当利回りは約2.0%、特別優待を含めると約2.1%
1株4500円で100株購入した場合、投資金額は45万円です。配当金は年間9000円なので、配当利回りは約2.0%になります。
2026年度は特別優待のQUOカード500円分が加わり、合わせた利回りは約2.1%です。お菓子詰め合わせは会社が金額を公表していないため、利回りには入れていません。
なお、今から買って10月末の権利確定で受け取れるのは、期末配当4500円とQUOカード500円分の計5000円で、投資金額の約1.1%にあたります。
まとめ
神戸物産がおすすめなのは、近くに業務スーパーがあり、日々の買い物を少しでも安くしたい方です。一方、「サク山チョコ次郎」の正栄食品工業がおすすめなのは、お菓子やナッツが好きな家族や、配当の増加に期待したい方です。合わせた利回りは、神戸物産が約1.4%、正栄食品工業が約2.1%となります。
神戸物産は、10月末の権利確定分の配当とGyomucaカードが年明けの1月にまとめて届きます。正栄食品工業は、お菓子詰め合わせが11月中旬ごろと5月中旬ごろの年2回届き、配当も年2回もらえます。ただし、業務スーパーのGyomucaカードは一部の店舗でしか使えないため、近くの店舗が対応しているか注意が必要です。
株主優待や配当だけでなく、業績や株価の動向も確認したうえで、投資先として検討してみてはいかがでしょうか?


