iDeCo加入者408万人 最新統計で見る普及の現在地

国民年金基金連合会(国基連)によると、2026年9月時点のiDeCo(個人型確定拠出年金)加入者が400万人に達しました。加入者数はどのように増えてきたのでしょうか。また、掛金を拠出している加入者だけでなく、運用指図者や自動移換者の動向にも目を向けながら、iDeCoの現在地を確認してみましょう。


iDeCo加入者の半数が「企業年金制度のない会社員」


2026年9月時点のiDeCoの加入者数は、前年同月に比べ8.7%増加し、約408.4万人となりました。掛金の拠出をせずに資産の運用の指図だけを行っている「運用指図者」は12.3%増の約120.5万人、自動移換者(記録のみを管理する資産なしの者を含む)は5.5%増で約150.0万人となっています。


iDeCoは、公的年金制度の被保険者種別によって4つの加入区分に分けられており、2026年9月時点の加入者は以下の通りです。


<第1号加入者>国民年金の第1号被保険者:約42.0万人

20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、フリーランス、学生など


<第2号加入者>国民年金の第2号被保険者:約349.5万人

会社員や公務員等の厚生年金の被保険者(企業型のマッチング拠出者、事業主掛け金を年単位で拠出している人は対象外)


<第3号加入者>国民年金の第3号被保険者:約15.5万人

国民年金の第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者


<第4号加入者>国民年金の任意加入被保険者:約1.4万人


第2号加入者はさらに、勤務先の企業年金制度の有無と、公務員などの共済組合員との3つに区分されます。企業年金制度のない会社員が約210.6万人で、全加入者の半数を占めています。企業年金のある会社員は約61.9万人、共済組合員は約77.0万人となっています。



iDeCoの加入者数は約10年間でおよそ13倍に


次は、加入者の推移を長期的に見てみましょう【グラフ1】。



加入者全体で見ると、2016年12月の約31万人から2026年9月の約408万人へと、約10年の間におよそ13倍に増えています。


ただし、この10年間の加入者増加には、度重なる制度改正の影響も含まれています。


まず2017年1月には、加入対象者が大幅に拡大されました。企業年金加入者、公務員等共済加入者、国民年金の第3号被保険者(専業主婦(夫)等)がiDeCoに加入できるようになりました。


また、2022年5月には、国民年金の被保険者であれば、60歳以降も一定の条件でiDeCoに加入できるようになりました。同年10月には、企業型DC加入者のiDeCo加入要件が緩和され、加入者数の増加を後押しする制度環境が整いました。



毎月1万人前後が「自動移換」に


さらに2024年12月の改正では、会社員や公務員などの加入手続きが簡素化されたほか、一部の加入者の拠出限度額が引き上げられました。月ごとの新規加入者数の推移を見ると、2024年12月の新規加入者は突出しており、約7.2万人が新たにiDeCoに加入しました【グラフ2】。



グラフ中の「新規加入者」とは、新たに掛金を拠出する加入者になった人で、「新規運用指図者」は、掛金を拠出せず、資産の運用のみを行う立場になった人です。


「新規自動移換者」は企業型DCの加入資格を失った後、期限内に移換手続きをしなかったことなどにより、年金資産が自動的に移された人のことです。


グラフを見ると、新規自動移換者が毎月1万人前後発生していることがわかります。自動移換された資産は運用されず、管理手数料もかかります。一方、運用指図者は新たな掛金を拠出しないものの、それまでに積み立てた資産の運用を続けることができます。


2025年度の新規運用指図者は約24.5万人でしたが、新規自動移換者も約15.2万人に上りました。両者は異なる事情で発生するため単純には比較できませんが、自動移換となる人が決して少なくないことがわかります。


企業型DCを離れるときは、年金資産の移換手続きを忘れないようにしましょう。自動移換に関する詳細は、過去記事「退職後の確定拠出年金 自動移換の手数料改定へ」で解説しています。


2026年12月にも制度改正が予定されています。これまで加入対象外だった60歳以上の人も、一定の条件を満たせばiDeCoに加入できるようになります。現在は運用指図者として資産を運用している人の中にも、改正後は掛金の拠出を再開する人がいるかもしれません。


この改正については、過去記事「2027年改正で50歳代のiDeCoにチャンス到来」で解説しています。


制度改正後、運用指図者から加入者への移行がどの程度進むのか、今後の統計を注視したいと思います。


【参考】

iDeCo公式サイト「業務状況」


ファイナンシャル・プランナー

石原 敬子

ライフプラン→マネープラン研究所 代表 ファイナンシャル・プランナー/CFP®認定者。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。終活アドバイザー® 大学卒業後、証券会社に約13年勤務後、2003年にファイナンシャル・プランナーの個人事務所を開業。大学で専攻した心理学と開業後に学んだコーチングを駆使した対話が強み。個人相談、マネー座談会のコーディネイター、行動を起こさせるセミナーの講師、金融関連の執筆を行う。近著は「世界一わかりやすい 図解 金融用語」(秀和システム)。

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