ローソク足の長大線
ローソク足はその名の通り、ローソクのような形をしているのが特徴で、始値・高値・安値・終値からなる4本値といわれる価格を、「実体」と「影(ヒゲ)」に分けて描き、1本の足にして表現したものです。
相場の強弱や方向性を推し量る優れた表記法といえるでしょう。日本国内のみならず、海外でもキャンドルチャートと呼ばれ広く知られています。
この1 本のローソク足には形によって、さまざまな情報が織り込まれています。今回は実体が平均に比べて相当に長い線である「長大線」に絞って解説します。
どのくらい長ければ長大線かという基準はありませんが、平均の2倍以上あることが望ましいという説もあります。ただ、その平均的な実体の長さは銘柄によって異なりますし、価格水準に応じて変化します。
また、日足を集積した週足は、日足よりも変化幅が大きく、それに比例して長大線長くなる傾向があります。月足はそれよりもさらに長くなります。長大線には「大陽線」と「大陰線」の2種類があります。
大陽線の種類
「大陽線」とは陽線の長大線のことです。「陽線」とは始値(寄り付き値)よりも終値が高い足で、実体の長い白抜きの足のことをいいます。1日を通じて買い方の勢いが売り方の勢いを大幅に上回ったことを示唆しています。
図表1のように、大陽線には上下に影のない「陽の丸坊主」、短い下影のある「陽の大引け坊主」、短い上影のある「陽の寄り付き坊主」の3種類があります。いずれも実体が長いのが特徴で、先高観が強いことを示しています。
「陽の丸坊主」は寄り付き値から終始買い意欲旺盛で高値引けした形状。「陽の大引坊主」 は下影があるものの上影はなく、買い意欲が旺盛でその日の取引を終えた形状です。「陽の寄り付き坊主」は寄り付きが安値で下影はないものの上影がある、先高観の強い陽線の形状です。
大陰線の種類
「大陰線」とは陰線の長大線のことです。「陰線」とは始値(寄り付き値)よりも終値が低い足で、実体の長い黒い足のことをいいます。1日を通じて売り方の勢いが買い方の勢いを大幅に上回ったことを示唆しています。
図表2のように、大陰線には上下に影のない「陰の丸坊主」、短い下影のある「陰の寄り付き坊主」、短い上影のある「陰の大引け坊主」の3種類があります。いずれも実体が長いのが特徴で、先安観としてのエネルギーが非常に強いことを示しています。
「陰の丸坊主」は寄り付き後、終始売り意欲旺盛で安値引けした形状。「陰の寄り付き坊主」は寄り付きが高値で下影はあるものの上影がないもので、売り意欲が旺盛でその日の取引を終えた形状です。「陰の大引け坊主」は上影がある安値引けで、先安観の強い陰線の形状です。
出現する位置に留意
大陽線は1日を通じて買い方の勢いが売り方の勢いを大幅に上回ったことを示唆しますが、買われ過ぎた結果として生まれた線と見ることもできます。
ですから、大陽線の出現を単純に下落相場から上昇相場への転換サイン、あるいはその後も上昇が続くと考えるのではなく、相場の水準と背景をよく考えて判断したほうがよいでしょう。
例えば、下落相場が続いた後に出現した大陽線は買い転換サイン、安値から相当に上昇した末に出現した場合は高値警戒と読み替える必要があるでしょう。
逆に、大陰線は1日を通じて売り方の勢いが買い方の勢いを大幅に上回ったことを示唆しますが、売られ過ぎた結果として生まれた線と見ることもできます。
ですから、大陰線の出現を単純に上昇相場から下落相場への転換サイン、あるいはその後も下落が続くと考えるのではなく、相場の水準と背景をよく考えて判断したほうがよいでしょう。
例えば、上昇相場が続いた後に出現した大陰線は売り転換サイン、高値から相当に下落した末に出現した場合は底値圏と読み替える必要があるでしょう。