三角もち合いとは
三角もち合いとは、数週間か、あるいは数カ月かけて上げ下げを繰り返しながら、次第に変動幅を縮小していく価格推移を指します。「トライアングル」ともいわれます。
三角もち合いを形成する要件としては、少なくとも2つの高値と2つの安値が必要です。その高値同士を結んで右へ延長した抵抗線と、安値同士を結んで右へ延長した支持線とで形成されます。
抵抗線や支持線かを突き抜けた後の価格の変化幅は、三角もち合いに入る前までの価格の変化幅や、三角もち合い形成中の最高値と最安値の差を目安とすることがあります。
下降三角形「ディセンディング・トライアングル」
三角もち合いには、大きく分けて3つあります。上値が一定で下値が切り上がる「上昇三角形」、下値が一定で上値が切り下がる「下降三角形」、下値が切り上がる一方で上値が切り下がる「対称三角形」です。今回は、「下降三角形」について解説します。
下降三角形とは、図表1のように、パターン中の節目となる安値を結んだ支持線がおおむね水平となる一方、節目となる高値を結んだ抵抗線が右下がりとなり、パターン中の安値近辺に収束していくように見える価格推移を指します。「ディセンディング・トライアングル」とも呼ばれます。
上値が切り下がっているため、売り方の勢いが買い方よりも勝っているようにみえます。弱気のパターンといわれ、下降トレンドの一時休止状態のときによく現れます。
一方、パターン形成前と完成後のトレンドが下降トレンドとは限らず、上昇トレンドの一時休止状態のときに現れる場合もあります。また、パターン形成前のトレンドと完成後のトレンドが逆転する場合もあります。出来高はパターン形成の初期に多く、値動きが収束するにしたがって減少していく傾向があります。
図表2は、キヤノン(7751)の日足チャートです。安値を結んだ支持線がおおむね水平となる一方、高値を結んだ抵抗線が右上がりとなっています。このケースは、下降トレンドの一時休止状態のときによく現れたパターンです。下放れの直前は戻りが鈍く、それ自体が株価下放れの動意の前兆となることがあります。安値を結んだ支持線を下抜けるともち合い放れとなり、図のように新しい下降局面に入る傾向があります。
一方、図表3は、TDK(6762)の週足チャートです。安値を結んだ支持線がおおむね水平となる一方、高値を結んだ抵抗線が右上がりとなっています。このケースは、結果的に上昇トレンドの一時休止状態のときに現れるパターンでしたが、上放れの直前は押し目が浅く、それ自体が株価上放れの動意の前兆となることがあります。高値を結んだ抵抗線を上抜けるともち合い放れとなり、図のように新しい上昇局面に入る傾向があります。
三角もち合いには、これ以外にも多様なパターンがあります。重要なポイントは、パターン形成前のトレンドの方向が、パターン形成後のトレンドの方向を決定することが多いことを知っておくことです。また、上放れの直前の押し目は浅い、下放れの直前の戻りは鈍いなどを知っておくことで、三角もち合いから放れる前兆を知り、市場参入への準備をすることができるということです。