NYマーケットダイジェスト・27日 株まちまち・金利上昇・円安

(27日終値)

ドル・円相場:1ドル=133.49円(前営業日比△0.61円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=142.03円(△0.68円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0640ドル(△0.0003ドル)

ダウ工業株30種平均:33241.56ドル(△37.63ドル)

ナスダック総合株価指数:10353.23(▲144.63)

10年物米国債利回り:3.84%(△0.10%)

WTI原油先物2月限:1バレル=79.53ドル(▲0.03ドル)

金先物2月限:1トロイオンス=1823.1ドル(△18.9ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。

※前営業日のNY終値は電子ブローキングも含む参考水準となります。


(主な米経済指標)      <発表値>  <前回発表値>

11月米卸売在庫(前月比)    1.0%     0.6%・改

10月米住宅価格指数(前月比)  0.0%      0.1%

10月米ケース・シラー住宅価格指数

前年比             8.6%      10.4%


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ドル円は3日続伸。英国市場が休場で商いは低調だったが、米10年債利回りが3.85%台まで上昇したことなどを手掛かりに円売り・ドル買いが進んだ。23時30分前には一時133.60円と日通し高値を更新し、その後の下押しも133.18円付近にとどまった。

 この日発表の11月米卸売在庫が前月比1.0%上昇と予想の0.4%上昇を上回り、10月米ケース・シラー住宅価格指数が前年比8.6%上昇と予想の8.0%上昇より強い内容となったことも相場を下支えした。


・ユーロドルは小幅ながら3日続伸。米長期金利が大幅に上昇したことでユーロ売り・ドル買いが先行。23時30分前に一時1.0612ドルと日通し安値を付けた。ただ、前日の安値1.0604ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが入り上げに転じた。

 もっとも、NY市場に限れば大きな方向感は出なかった。市場では「英国勢と同様に4連休を取っているNY勢も多く、商いは低調だった」との声が聞かれた。


・ユーロ円も3日続伸。欧州時間に一時142.27円と日通し高値を付けたものの、NY時間に入ると141.56円付近まで下押しした。ただ、ドル円の上昇につれた買いも入ったため、下値は限定的だった。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。中国政府が新型コロナウイルスの感染拡大対策で導入した厳しい防疫措置を緩和する方針を打ち出すと、同国経済への先行き懸念が後退し、米株にも買いが入った。ただ、米長期金利の上昇を受けて高PER(株価収益率)のハイテク株に売りが出たため下げに転じる場面もあった。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。「中国工場での生産一時停止が計画されている」との報道が嫌気されて、電気自動車(EV)のテスラが11%超の急落となった。


・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。中国政府が新型コロナウイルスの感染拡大対策で導入した厳しい防疫措置を緩和する方針を打ち出したことで、同国経済への先行き懸念が後退。相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。


・原油先物相場は小反落。中国の新型コロナウイルス対策緩和が経済・社会活動の活発化につながり、エネルギー需要が回復するとの期待が買い材料となった。米寒波によるエネルギー需要や供給の停滞も支援要因となり一時81.18ドルと5日以来、約3週間ぶりの高値をつけた。しかし、米金利上昇が重しとなって、ダウ平均の上昇が頭打ち、他の主要米2株価指数がマイナス推移となるなど、米株が重い動きに。金利上昇が株価や景況に与える影響が嫌気され、原油相場も上昇幅を帳消しにした。


・金先物相場は続伸。米株価の重い動きをにらんで、リスク回避資産とされる金が買われた。米金利上昇を嫌気してダウ平均が上昇幅を縮小し、他の主要2株価指数はマイナス推移。英国など休場となる市場もあり取引が薄いなか、金価格の上昇が加速した。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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