NYマーケットダイジェスト・28日 株安・長期金利上昇・ドル高

(28日終値)

ドル・円相場:1ドル=134.47円(前営業日比△0.98円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=142.71円(△0.68円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0612ドル(▲0.0028ドル)

ダウ工業株30種平均:32875.71ドル(▲365.85ドル)

ナスダック総合株価指数:10213.29(▲139.94)

10年物米国債利回り:3.88%(△0.04%)

WTI原油先物2月限:1バレル=78.96ドル(▲0.57ドル)

金先物2月限:1トロイオンス=1815.8ドル(▲7.3ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)          <発表値>   <前回発表値>

11月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)

前月比                ▲4.0%     ▲4.7%・改

前年比                ▲38.6%     ▲36.7%

12月米リッチモンド連銀製造業景気指数   1        ▲9


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ドル円は4日続伸。米10年債利回りが3.80%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。22時前に一時133.40円付近まで値を下げた。ただ、アジア時間に付けた日通し安値133.38円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米10年債利回りが3.89%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、6時過ぎには134.50円と日通し高値を更新した。

 なお、この日発表の12月米リッチモンド連銀製造業景気指数は予想を上回った一方、11月米住宅販売保留指数は予想を下回るなど強弱入り混じる結果となった。


・ユーロドルは4日ぶりに反落。米長期金利の低下を受けてユーロ買い・ドル売りが先行。23時30分過ぎに一時1.0674ドルと日通し高値を付けた。ただ、米長期金利が上昇に転じると一転下落した。6時過ぎには1.0607ドルと日通し安値を付けた。


・ユーロ円は4日続伸。21時30分過ぎに一時142.15円付近まで下げたものの、24時過ぎには142.86円付近まで上昇。そのあとは142円台半ばで値動きが鈍った。市場では「新規の取引材料に乏しいうえ、年末を控えて積極的に持ち高を傾ける展開にはならなかった」との声が聞かれた。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。中国が新型コロナウイルス対策の厳しい規制を緩めたことで買いが入った一方、本日伝わった「同国のコロナ感染が深刻化している」との報道が嫌気されて売りが広がった。米長期金利の上昇を受けて高PER(株価収益率)のハイテク株が売られたことも相場の押し下げ要因となり、一時370ドル超下げた。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、2020年7月以来の安値で取引を終えた。


・米国債券相場で長期ゾーンは4日続落。年末を控えたポジション調整目的の売りが優勢となった。


・原油先物相場は小幅続落。中国の新型コロナウイルス対策緩和が経済・社会活動の活発化につながり、エネルギー需要が回復するとの期待がはく落してきた。行動規制の緩和が感染拡大へつながっている状況に着目して、むしろエネルギー需要に悪影響を与えるリスクを懸念する向きもあるようだ。見直しの売りが入り、原油相場を重くした。


・金先物相場は3日ぶりに反落。調整でやや低下気味に推移していた米10年債利回りが上昇を強める動きとなったことから、金利が付かない資産である金の性質を意識した売りが入った。米金利上昇によるドル強含みも、金相場のドル建て換算値の押し下げに寄与。ドルの代替資産としての金の相対的な価値が低下するとの見方も重しとなった。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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