【チャートの種類~ラインチャート②】

ラインチャートは最も単純な価格の記録法

「ラインチャート」は相場の終値だけをつないだ折れ線で示されたチャートです。


「ローソク足」や「バーチャート」などのように、始値、高値、安値が表示されないため、最も単純な価格の記録法で、視覚的に相場の変化を把握しやすい特徴があります。「大引足」「止め足」「星足」などとも呼ばれます。


ラインチャートの弱点

ラインチャートは前日と当日の終値の単純な変化を知ることはできますが、日中のどのような値動きを通じて終値が決まったかを判断することはできません。


例えば、「弱気材料の出現によって、前日の終値から大幅に下げて寄り付いたものの、そこからいったん買われて上昇し、再び寄り付きの価格で終値が決まった場合」と「前日と同じ水準で寄り付き、下値模索の末に終値が決まった場合」を比べると、終値は同じでも買い方と売り方の心理状況は異なります。


ラインチャートは真の相場

株価を表示するチャートソフトは、一般的にはローソク足がデフォルトに設定させているケースがほとんどです。


一方、トレンド重視の中長期スタンスの投資家にとっては、ラインチャートは有効です。高値と安値の幅が大きく変動するような日中に生じる投機的な動きや、短期間で乱高下するような動きに翻ろうされることなく、余計な売買や不安心理を排除することができるからです。乱高下にリスクを感じることで、持ち株を早く売り過ぎてしまい、上昇相場の中での利益を取り損ねることもあるでしょう。


また、数百銘柄で構成される指数を分析する際には、ラインチャートを用いた終値ベースの値動きで分析することが多いのも確かです。


そういった意味で、ラインチャートは、短期的なノイズを排除した真の相場の動向をつかむことができる点が強みといえます。


ローソク足と同様の分析も可能

ラインチャートは日中の値動きを無視したチャートですから、4本値を記したローソク足よりも情報量は極端に少なくなります。


一方、ローソク足と同じように、トレンドラインや移動平均線をチャート内に追加して、価格推移の方向の変化を把握することや、パターン分析をすることなども可能です。



日本株情報部 チーフストラテジスト

東野 幸利

証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。 マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。世界主要指数や個別株を対象にテクニカル・ストラテジーの提案。 日経CNBC「夜エクスプレス」、日経チャンネル「マーケッツのツボ」、テレビ東京「モーニングサテライト」、ラジオ日経(金曜後場マーケットプレス)など 会社四季報プロ500、ダイヤモンド・ザイ、日経マネー、株主手帳など 金融機関向けコラム「相場一点喜怒哀楽」 IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA) 日本テクニカルアナリスト協会理事 CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務) DCアドバイザー(確定拠出型年金教育・普及協会)

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