株で損失が出たら確定申告しよう!複数の証券会社で取引している場合のやり方もご紹介

面倒な確定申告はなるべく行いたくないと思う人が多いですよね。しかし、確定申告することで税金が還ってくるとしたら、手間をかけてでも確定申告しようと思うのではないでしょうか?株式投資で損失が出た時には必ず確定申告することをおすすめする理由をご説明します。


損失を確定申告すると節税になる!

株式投資によって出た利益は、確定申告して納税する必要がありますが、そもそも損失の方が大きい場合は利益にかかる税金を支払う必要がないので、確定申告をする必要はありません。しかし、損失を確定申告すると、節税につながる場合があります!


損失を確定申告することによって受けられる節税措置には「損益通算」と「繰越控除」の2種類があります。リスク軽減のため、複数の証券会社や口座で取引している場合でも、節税の適用が可能です。


損益通算と繰越控除

損益通算とは、1年間に出た所得区分の同じ利益と損失を相殺して、納税額を控除することが出来る制度です。また、繰越控除とは、損益通算した結果、損失の方が大きく赤字になった場合、翌年から3年間に渡り、その損失額が損益通算に繰り越される制度のことをいいます。

 


繰越控除は翌年から3年間にわたり適用されますが、適用し続けるためには毎年確定申告することが必要です。1年目に損失を確定申告していても、2年目に確定申告していないと、本来適用期間に入るはずの3年目に、繰越控除を受けることができなくなります。


1種類の株式のみ保有

1つの口座で1種類の株式のみ保有している場合に、損失を確定申告すると、翌年の利益に「繰越控除」が適用されます。例えば、1年目に5万円の損失、2年目に20万円の利益が出たとすると、1年目に損失を確定申告しておけば、2年目に出た利益に対する税金約4万円を支払う必要はありません。


1つの口座で複数の株式を保有

リスク軽減のために、複数の株式を保有している人が多いですよね。1つの口座内で複数の株式を保有しており、どれか1つだけでも損失が出た場合に確定申告すると、「損益通算」と「繰越控除」のどちらも適用されます。


例えば、A社の株式で20万円の利益が出たら約4万円の税金を支払う必要がありますが、同時にB社の株式で10万円の損失が出たら、損益通算により利益が相殺され、10万円分の利益に対する税金、約2万円の支払で済みます。


A社の株式で20万円の利益が出て、B社の株式で40万円の損失が出た場合は、確定申告して損益通算を適用しないとA社利益に対する税金約4万円の支払いが必要です。しかし、損益通算すれば納税額は0円で、翌年から3年間、20万円分の損失が繰越控除されます。


特定口座(源泉徴収あり)でも確定申告!

確定申告するのが面倒で特定口座(源泉徴収あり)で取引している人も、損失が出たら確定申告しましょう!源泉徴収されると、利益に対する税金を前もって差し引いた金額が振り込まれることになります。


つまり、損失が出たかどうかに関わらず、利益に対する税金はすでに満額支払っている状態です。どれか1つの株式でも損失が出た場合、確定申告することで損益通算され、必ず払いすぎた税金が還ってきますよ。


特定口座(源泉徴収なし)の確定申告

特定口座(源泉徴収なし)や一般口座で取引している場合、利益が20万円以下の場合は納税の必要がないので、確定申告しなくても構いません。例えば、A社の株式で10万円の利益が出てB社の株式で15万円の損失が出た場合、確定申告してもしなくても納税額は0円です。


確定申告することで、B社損失分の5万円が繰越控除されますが、翌年から3年間適用し続けるためには毎年確定申告する必要があります。年間の利益が20万円以下の少額投資しか行わないのであれば、確定申告せずに繰越控除を受けないのも選択肢の1つです。


複数の口座で株式を保有

 


1つの証券会社で複数の口座を作ることはできませんが、複数の証券会社で1つずつ口座を作ることは可能です。複数の証券会社を利用することは、リスクを分散できたり、手数料を最小限に抑えたりといくつかメリットがあります。


複数の証券会社で取引している場合も、複数の株式を保有する場合と同じです。どこか1つの証券会社でも損失が出たら確定申告することで「損益通算」と「繰越控除」を適用することができます。


例えば、X証券会社でA社から10万円の利益とB社から20万円の利益の合計30万円の利益を出し、Y証券会社でC社から20万円の利益、D社から60万円の損失の合計40万円の損失を出した場合の損益通算を計算します。


確定申告しない場合、A社の利益10万円の税金約2万円、B社の利益20万円の税金約4万円、C社の利益20万円の税金約4万円の、合計約10万円を納税しなければなりません。


確定申告した場合、X証券会社の合計利益30万円とY証券会社の合計損失40万円が損益通算され、納税額は0円となり、10万円の損失分が翌年以降に繰越控除されます。少し面倒でも、確定申告すると約10万円の税金が0円となるのは、かなり大きいですよね。


まとめ

株式投資で損失が出た場合に確定申告をすると、払いすぎた税金が還って来ます。特に特定口座(源泉徴収あり)で取引している人は、面倒な確定申告をしたくないと思っている人が多いかと思いますが、利益によっては大きな金額が還ってくることもありますので、必ず確定申告することをおすすめします。


「いまから」 編集部

カジュアルな投資情報メディア「いまから投資」の企画・運営を行っています。「いまから! これから! いまさら?」投資や資産運用をはじめる人にわかりやすいコンテンツを提供します。お金や暮らしにまつわる幅広い情報もわかりやすくお伝えします。

「いまから」 編集部の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております