(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=138.96円(前営業日比△1.57円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=139.23円(△1.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0018ドル(▲0.0041ドル)
ダウ工業株30種平均:30630.17ドル(▲142.62ドル)
ナスダック総合株価指数:11251.19(△3.61)
10年物米国債利回り:2.96%(△0.03%)
WTI原油先物8月限:1バレル=95.78ドル(▲0.52ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=1705.8ドル(▲29.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標) <発表値> <前回発表値>
6月米卸売物価指数(PPI)
前月比 1.1% 0.9%・改
前年比 11.3% 10.9%・改
食品とエネルギーを除くコア指数
前月比 0.4% 0.6%・改
前年比 8.2% 8.5%・改
前週分の米新規失業保険申請件数 24.4万件 23.5万件
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは反落。前日の6月米消費者物価指数(CPI)に続き、6月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことが分かると、市場では今月26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の4倍にあたる1.00%の利上げが実施されるとの観測が高まった。米金利の上昇とともにドル買いが先行すると、前日の安値0.9998ドルを下抜けてストップロスを誘発。23時前に一時0.9952ドルと2002年12月以来約20年ぶりの安値を更新した。
ただ、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「7月は0.75%利上げが基本シナリオ」「市場は1%利上げに関してやや先走った可能性」と発言すると、市場で台頭していた1%の利上げ観測が後退し、ドル売りで反応した。1時前には1.0048ドル付近まで値を戻す場面があった。
もっとも、ドラギ伊首相が辞任表明すると伊政局不安が高まり再びユーロを売る動きが優勢に。2時前には0.9984ドル付近へ下落し、再度パリティ割れとなった。なお、ドラギ氏の辞任の申し出はマッタレッラ伊大統領に拒否された。
・ドル円は続伸。予想を上回る米PPIを受けて一時139.37円と日本時間夕刻に付けた約24年ぶりの高値139.39円に迫ったものの、上抜けることは出来なかった。ウォラー氏が「今月は0.75%の利上げを支持する」と発言すると、138.71円付近まで下押しした。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、今月のFOMCでの1%の利上げ確率は40%近辺まで下がり、0.75%の利上げ確率は60%近辺まで上がった。
なお、ウォラー氏は「FOMCまでに出る小売や住宅指標などが予想よりも強い場合、大幅な利上げを支持する」と述べ、経済指標次第では1%の利上げを支持する考えも示した。
・ユーロ円も続伸。ただ、NYの取引時間帯に限ればドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、大きな方向感は出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落。インフレ高進に伴う米金融引き締め加速への警戒から売りが先行し、一時620ドル超下げた。ただ、ウォラーFRB理事が「今月のFOMCでは0.75%の利上げを支持する」と発言すると、市場で台頭していた1%の利上げ観測が後退し、株買い戻しを誘った。引けにかけては92ドル安前後まで下げ幅を縮めた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに小反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反落。6月米PPIが予想を上回ったことが分かると売りが先行したものの、ウォラーFRB理事が「7月は0.75%利上げが基本シナリオ」「市場は1%利上げに関してやや先走った可能性」と発言すると買い戻しが入り下げ渋った。市場で台頭していた1%の利上げ観測が後退し、債券を買い戻す動きが出た。
・原油先物相場は小幅に続落。米物価の上昇を受けたFRBの大幅な利上げ観測を始め、主要各国の中央銀行が引き締めに動いていることから、景気が圧迫されるとの見方が強まっている。エネルギー需要後退の懸念につながり、原油相場の上値を重くした。
・金先物相場は大幅に反落。FRBの大幅な利上げ観測を受けてドル高が大幅に進んだことで、ドル建て金価格の換算値が急低下。金融引き締めが金市場への投資資金流入を滞らせるとの見方も重しとなった。