寄引同事線とは?
ローソク足を描くには、始値・高値・安値・終値の4本値が必要ですが、始値と終値が同値の足形を「寄引同事線」といいます。
始値(寄り付き値)が決まったあと、上値と下値に強弱の攻防はあるものの、結局は寄り付き値まで戻して終値(大引け値)が決まったもので、取引時間中の値動きは「上ヒゲ」「下ヒゲ」によって表されます。
寄引同時の7つのパターン
寄引同事線には、図表のように7つのパターンがあります。
【寄せ線】・・・上ヒゲと下ヒゲがともに長くほぼ同じ長さの寄引同事線です。これが出現した場合、相場の転換点となる場合も多いので翌日以降の相場の方向に注目です。
【四値同事】・・・始値・高値・安値・終値がすべてほぼ同値の寄引同事線です。ヒゲがなく相場が全く動いていない状態の足です。
【トウバ】・・・始値・安値・終値がほぼ同値で上ヒゲだけある寄引同事線です。その形状が卒塔婆に似ていることから名付けられたともいわれています。相場の上昇過程の上位の位置で出現した場合は上昇の流れが終了し、下方転換するか、保ち合いへ変化することが多いので注意が必要です。
【トンボ】・・・始値・高値・終値がほぼ同値で下ヒゲだけある寄引同事線です。トウバと反対に下ヒゲが長いのが特徴です。相場の転換期を示唆することが多いですが、相場の流れの途中に出現する場合も多いです。
【十字】・・・上ヒゲと下ヒゲがともに短く、ほぼ同じ長さの寄引同事線です。気迷いを表し、相場の上位や下位の途中に出現することが多いです。
【上十字】・・・上ヒゲの長さが下ヒゲよりも顕著に長い寄引同事線です。買いの勢力の減退を示唆しています。
【下十字】・・・下ヒゲの長さが上ヒゲよりも顕著に長い寄引同事線です。売りの勢力の減退を示唆しています。
株価指数の同事はまれ
価格表記の桁数が多く、小数点以下まで計算されている日経平均株価やアメリカのダウ平均などの株価指数では、始値と終値が一致することはまれです。
始値と終値が完全に一致しなくても、ローソク足の表示上でほぼ一致していれば寄引同事として扱い、相場分析をする方が実情に則しているかもしれません。
相場の転換期に出現する
以上のように、寄引同事線は実体(始値から終値までの長方形)がなく、ヒゲの長さやその形状により性質も異なりますが、いずれも相場の転換期に出現する場合が多い、と考えてよさそうです。
ただ、寄引同事線が出現した場合には、それまでの価格推移の状況や相場を取り巻く環境などを複合的に考慮して、最終判断するように心掛けましょう。