香港大引け:3日ぶり反落、利益確定売りが重荷 テンセント5%超安

12日の香港株式市場で、ハンセン指数は3営業日ぶりに反落。終値は前日比0.86%安の20309.86ポイントだった。中国企業指数は1.21%安の6866.50ポイント。メインボードの売買代金は概算で1080億9000万HKドル。


ハンセン指数は小安く寄り付き、序盤に下げ幅を拡大。前日終値は3月7日以来約1カ月ぶりの高値圏だっただけに利益確定売りに押され、下落率が1%を超える場面があった。11日のNY市場で、米長期金利の上昇を背景にハイテク株が売られたことも投資家心理を冷やしたもよう。3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を香港時間きょう夜に控え、見送りムードも広がった。セクター別では、エネルギーと不動産・建設、素材が上げた半面、情報技術、一般消費財、必需消費財が下げた。


ハンセン指数構成銘柄では、テンセント(00700)が5%超下落。大株主であるプロサスがテンセント株を追加売却する準備をしていると発表し、嫌気した売りが出た。大型ネット株のアリババ集団(09988)とJDドットコム(09618)、美団(03690)もそろって下落し、相場の重荷となった。自動車販売の中升集団(00881)とミネラルウオーター大手の農夫山泉(09633)、火鍋チェーンの海底撈国際(06862)は大幅に反落した。半面、半導体ファウンドリーのSMIC(00981)が大きく買われた。不動産株の龍湖集団(00960)と華潤置地(01109)、碧桂園(02007)、碧桂園服務(06098)、医薬品株の翰森製薬(03692)は続伸した。


ハイテク銘柄で構成するハンセンテック指数は1.92%安の4166.77ポイントと3営業日ぶりに反落。米アップルが今秋に発売予定の「iPhone15 Pro」シリーズに感圧式ソリッドステートボタンを採用しない見通しが伝わり、スマートフォン部品メーカーの瑞声科技(02018)が15%近く下落した。顔認証システムのセンスタイム(00020)とショート動画プラットフォームの快手科技(01024)も安い。一方、SMICと同業の華虹半導体(01347)やオンライン読書サービスの閲文集団(00772)が買われた。

中国株情報部

村山 広介

日本の出版社や外資系出版社に勤務したほか、シンガポールの邦字新聞社でビジネスニュース編集を経験。 2011年8月、T&Cフィナンシャルリサーチ(現・DZHフィナンシャルリサーチ)に入社。

村山 広介の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております