全人代、5カ年計画を決定
中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)は2026年の全人代を3月5日から北京で開く予定です。26-30年の第15次5カ年計画を決定する注目の大会となります。
李強首相が開幕日に政府活動報告を読み上げ、26年の実質経済成長率目標を公表する見通しです。不動産不況に伴う内需不足に直面する経済活性化策や、26年予算案に計上する国防費の水準も注目されます。
国政助言機関である全国政治協商会議(政協)は26年3月4日に開幕します。全人代と政協はあわせて「両会(2つの会議)」と呼ばれ、開催中の北京市内は厳しい警備態勢が敷かれます。
中国経済が直面している課題
2025年の中国経済は、政府目標(前年比+5%前後)並みの成長を達成したが、乗り越えなければならないいくつの課題に直面しています。
●米中対立:昨年の11月の米中首脳会談を経て貿易摩擦の激化は回避され、トランプ米大統領が4月に中国を訪問する予定であり、両国の関係悪化は回避されているが、覇権争いの両国の摩擦は簡単には回避されません。
●過剰生産:過剰生産による過当競争の発生、製造業雇用の不安定化や輸出相手国のダンピング批判など多くの問題とデフレ懸念の継続が警戒されます。
●内需低迷:貯蓄性向が高止まりしており、家計消費が伸び悩み、サービス関連の雇用が低迷しています。
米中対立による先端品(先端半導体、重要素材など)輸入の制約から、自前での技術開発や生産能力の高度化が必須だが、過度の供給力強化は過剰生産をもたらし、過当競争によるデフレ圧力、輸出相手国との貿易摩擦を強めかねません。これらを回避するには、供給力に見合う需要喚起が必要であります。しかし、家計は雇用不安や不動産市場低迷などから将来不安が根強く、消費が伸び悩んでいます。中国にとっては、対米依存の一段の緩和、製造業の構造改革、消費主導の経済政策の構築などが今後の課題になりそうです。
第15次5カ年計画
昨年10月開催の中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)で、第15次計画の基本方針が提示されました。
基本方針として、対外的には新質生産力(先端品の生産力)強化、新興国との通商関係強化により「対米依存の緩和」を目指し、国内では過当競争解消、製造業の雇用機会確保、輸出相手国との共存をもたらす「製造業の構造改革」、サービス消費などの新たな需要創出、サービス関連雇用拡大による「将来不安解消・消費主導の経済」が掲げられました。
また、第15次計画ではAI関連(AIロボットなど)、ドローン、量子コンピュータ、バイオ製品などを新質生産力強化の対象としています。政府支援のもと中国系企業は、これらの分野の生産強化への取り組みを加速させる公算が大きいです。
【全国人民代表大会(全人代)】
全国人民代表大会は、中国の最高権力機関及び立法機関として位置付けられる一院制議会であります。全人代は立法権を行使する他に国家の最高権力機関として、行政権・司法権・検察権に優越します。中華人民共和国主席(国家元首)・副主席・国務院(最高行政機関)・国家中央軍事委員会(最高軍事指導機関)・最高人民法院(最高司法機関)・最高人民検察院(最高検察機関)の構成員は全人代によって選出され、全人代に対して責任を負い、その監督を受けます。
全人代は共産党を中心とする大会主席団・全人代常務委員会・国務院などが提出した議案や予算を審議します。



