NYマーケットダイジェスト・22日 株まちまち・金利上昇・円安・ドル高

(22日終値)

ドル・円相場:1ドル=143.11円(前営業日比△1.23円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=156.79円(△0.90円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0956ドル(▲0.0030ドル)

ダウ工業株30種平均:33946.71ドル(▲4.81ドル)

ナスダック総合株価指数:13630.61(△128.41)

10年物米国債利回り:3.79%(△0.07%)

WTI原油先物8月限:1バレル=69.51ドル(▲3.02ドル)

金先物8月限:1トロイオンス=1923.7ドル(▲21.2ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)          <発表値>   <前回発表値>

前週分の米新規失業保険申請件数    26.4万件    26.4万件・改

1-3月期米経常収支       2193億ドルの赤字 2162億ドルの赤字・改

5月米中古住宅販売件数

前月比                 0.2%     ▲3.2%・改

年率換算件数             430万件     429万件・改

5月米景気先行指標総合指数(前月比) ▲0.7%      ▲0.6%


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ドル円は続伸。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことが伝わると一時141.78円付近まで売られたものの、下押しは限定的だった。ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事が「インフレ抑制のために追加利上げが必要」「インフレの水準はなお容認できないほど高い」と述べたうえ、パウエルFRB議長が「今年あと2回の利上げが適切となるだろう」と述べたと伝わると、米金融引き締めが長引くことが改めて意識された。5月米中古住宅販売件数が予想より強い結果となったことも相場の支援材料となり、レジスタンスとして意識されていた2022年11月11日の高値142.48円を上抜けると一時143.23円まで上値を伸ばした。


・ユーロドルは反落。パウエルFRB議長がインフレ抑制のために金融引き締めを続ける必要性を改めて強調すると、米金利の上昇とともにドル買いが活発化した。1時過ぎに一時1.0949ドルと日通し安値を更新した。


・ユーロ円は続伸。インフレ抑制のため、スイス国立銀行(SNB)や英中銀(BOE)など欧州の各中銀が利上げを発表すると、欧州中央銀行(ECB)も利上げを継続するとの見方が改めて強まった。大規模な緩和姿勢を維持する日銀との金融政策の違いが意識されて、円売り・ユーロ買いが進んだ。5時前には一時156.93円と2008年9月以来約15年ぶりの高値を付けた。

 なお、ポンド円は一時182.56円と15年12月以来の高値を付けたほか、スイスフラン円は160.00円と史上最高値を更新した。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら4日続落。パウエルFRB議長が「今年あと2回の利上げが適切となるだろう」と述べたと伝わると、米金融引き締めが長引くことが改めて意識された。米景気悪化への懸念から株売りが出ると一時110ドル超下げた。ただ、下値は限定的だった。前日に売られた大型ハイテク株が買い直されたほか、ディフェンシブ株の一角に買いが入ると、指数は上げに転じる場面もあった。

 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに反発した。


・米国債券相場で長期ゾーンは下落。欧州各国で大幅利上げが相次いだほか、パウエルFRB議長が「今年あと2回の利上げが適切となるだろう」と発言したことで、米金融引き締めが長期化するとの観測が改めて強まった。


・原油先物相場は反落。パウエルFRB議長の議会証言などを受け、米利上げ観測が拡大。追加利上げが景気減速とエネルギー需要の鈍化を招くとの思惑が広がり、原油相場は売りに押された。


・金先物相場は3日続落。欧州各国で大幅利上げが相次いだほか、パウエルFRB議長が「今年あと2回の利上げが適切となるだろう」などの見解を示したことを受け、金利を生まない金相場には売りが強まった。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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