NYマーケットダイジェスト・23日 株安・金利低下・円安

(23日終値)

ドル・円相場:1ドル=143.70円(前営業日比△0.59円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=156.66円(▲0.13円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0894ドル(▲0.0062ドル)

ダウ工業株30種平均:33727.43ドル(▲219.28ドル)

ナスダック総合株価指数:13492.52(▲138.09)

10年物米国債利回り:3.73%(▲0.06%)

WTI原油先物8月限:1バレル=69.16ドル(▲0.35ドル)

金先物8月限:1トロイオンス=1929.6ドル(△5.9ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)      <発表値>   <前回発表値>

6月米製造業PMI速報値      46.3       48.4

6月米サービス部門PMI速報値   54.1       54.9

6月米総合PMI速報値       53.0       54.3


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ドル円は3日続伸。米10年債利回りが3.68%台まで低下したことなどを受けて円買い・ドル売りが先行。ボスティック米アトランタ連銀総裁が年内の利上げ見送りを支持したことも相場の重しとなり、一時142.72円と日通し安値を付けた。

 ただ、下押しは限定的だった。前日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長に続き、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が「今年あと2回の利上げは非常に妥当な予測」などと発言すると一転円売り・ドル買いが優勢に。米10年債利回りが3.75%台まで低下幅を縮めたことも相場を下支えし、一時143.87円と昨年11月以来7カ月ぶりの高値を更新した。市場では「世界の主要な中央銀行の中で日銀が大規模な金融緩和を続けていることが一段と際立っており、投資家は円を売る姿勢を強めている」との声が聞かれた。


・ユーロドルは続落。ユーロ圏の6月購買担当者景気指数(PMI)速報値が軒並み予想を下回ると、ユーロ圏景気への懸念が強まり、欧州序盤には一時1.0845ドルと日通し安値を付けた。ただ、NY市場に入ると下げ渋る展開に。ユーロ豪ドルなど一部ユーロクロスの上昇も支えに1.0902ドル付近まで持ち直す場面があった。


・ユーロ円は3日ぶりに反落したものの、下値は堅かった。利上げ姿勢を崩さない欧州中央銀行(ECB)と大規模な金融緩和を続ける日銀との金融政策の違いが意識されて、この日も円売り・ユーロ買いが出やすかった。

 なお、スイスフラン円は一時160.33円まで上昇し、連日で史上最高値を更新した。スイス国立銀行(中央銀行、SNB)は前日、政策金利を1.75%に引き上げ、声明では「物価安定のため、さらに利上げが必要になる可能性は排除できない」と指摘。追加利上げの可能性を示唆した。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落。米金融引き締めが長引くことが改めて意識されると、米景気悪化への懸念から株売りが出た。この日発表された欧米の6月PMI速報値が軒並み下振れたことで、世界的な景気悪化への懸念も高まり相場の重しとなった面もある。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。前日に上昇したハイテク株への利益確定売りが出た。


・米国債券相場で長期ゾーンは反発。この日発表された欧米の6月PMI速報値が軒並み下振れたことで、世界的な景気悪化への懸念が高まると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。株価の下落も債券買いを誘った。


・原油先物相場は続落。デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が追加利上げの可能性を示唆したこともあり、利上げ継続によってエネルギー需要が鈍化するとの思惑が広がった。


・金先物相場は4日ぶりに反発。米金利が低下したことで金利を生まない金相場に買いが入った。もっとも、対ユーロなどでドルが堅調に推移し、ドル建てで決済される金相場の割高感も意識されたため、一方的に買いが進む動きにはなっていない。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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