住宅株がそろって上場来高値を更新

先週の米国株は主要3指数がそろって下落 ナスダック総合は9週ぶりに反落


先週の米国市場ではダウ平均が571.69ドル安(-1.7%)と4週ぶりに反落し、S&P500は1.4%安と6週ぶりに反落。ハイテク株主体のナスダック総合も1.4%安と9週ぶりの反落となりました。


パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて利上げ継続への警戒感が強まったことや、米6月S&Pグローバル製造業PMI速報値が予想以上に悪化したことで景気後退(リセッション)懸念が強まったことも相場の重しとなりました。


S&P500の11セクターは、ヘルスケア(+0.2%)を除く10セクターが週間で下落。不動産が4.0%安、エネルギーが3.5%安となり、公益、IT、金融も2%超の下落となりました。


S&P500は100日移動平均線からのかい離率が前週6月15日時点で7.95%と今年2月1日の7.98%以来の大幅上方かい離となりましたが、先週の下落によりかい離率が5.62%に縮小。週明け26日の取引でもS&P500が0.4%下落したことで、かい離率は5.08%となりました。


 


住宅株が軒並み上昇し、そろって上場来高値を更新


先週は主要3指数がそろって下落となりましたが、住宅株の堅調が目立ちました。


20日に発表された米5月住宅着工件数が163.1万件と市場予想の140万件を大きく上回ったことで米国の景気後退(リセッション)懸念が強まる中、住宅市場は好調ぶりが確認されました。


住宅株はパルト・グループが3.8%高、D.R.ホートンが3.4%高、NVRが2.8%高、レナーが1.9%高と軒並み上昇し、4銘柄がそろって上場来高値を更新しました。


米住宅建築・販売大手のD.R.ホートンが4月20日に発表した2023年度第2四半期(1-3月)決算は、売上高が前年同期比0.3%減の79億7300万ドルとなりましが市場予想の64億7100万ドルを上回り、調整後の一株当たり利益は2.73ドルと市場予想の1.93ドルを大幅に上回りました。


7月20日に発表予定の2023年度第3四半期(4-6月)決算は、売上高のアナリスト予想が前年同期比7.4%減、前四半期比28.7%増の83億2700万ドルと2四半期連続で前四半期比増収が見込まれ、調整後の一株当たり利益予想も2.77ドルと第2四半期から増益が見込まれています。


先週まで4週続伸した株価は、週明け26日の取引では0.4%安と7日ぶりに反落しましたが、一時1.38ドル高(+1.2%)の121.78ドルまで上昇し、6日連続で上場来高値を更新。年初来では34.5%高となりました。



 

レナーの3-5月期決算は売上高、利益ともに予想を大幅に上回る


米住宅建設大手レナーが6月15日に発表した2023年度第2四半期(3-5月)決算は、売上高が前年同期比3.8%減の80億4500万ドルとなりましが市場予想の71億8500万ドルを大幅に上回り、調整後の一株当たり利益も3.01ドルと市場予想の2.32ドルを大幅に上回りました。


先週まで4週続伸した株価は、週明け26日の取引では1.0%安と反落しましたが、一時0.74ドル高(+0.6%)の123.04ドルまで上昇し、4日ぶりに上場来高値を更新。年初来では33.8%高となりました。




国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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