エヌビディアの決算は予想を上回る大幅増収増益 データセンターが3倍増

先週の米国株は高安まちまち ダウ続落もS&P500とナスダックが4週ぶりに反発


先週の米国市場ではダウ平均が0.45%安と2週続落となった一方、S&P500が0.82%高、ナスダック総合が2.26%高とともに4週ぶりに反発しました。


週末のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演を控えて警戒感が強まる中、米10年債利回りの上昇が重しとなりましたが、水曜日引け後に発表されるエヌビディアの決算への期待を背景にハイテク株の上昇が週半ばまでの相場をけん引しました。


エヌビディアの5-7月期決算は予想を大きく上回り、8-10月期の大幅増収見通しが示されましたが、株価は上場来高値を更新後に失速すると、他のハイテク株にも利益確定売りが強まりました。


注目された週末25日のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演では追加利上げの可能性が示されましたが、利上げはデータ次第だとする従来の主張が繰り返されました。おおむね想定内のパウエルFRB議長発言を受けて25日の取引では主要3指数がそろって0.7-0.9%上昇して終了しました。


 

エヌビディアの決算は予想を上回る増収増益 見通しも予想を上回る


3次元グラフィックスプロセッサー製造の米エヌビディアが23日引け後に発表した2023年度第2四半期(5-7月)決算は、売上高が前年同期比2倍の135億700万ドルとなり市場予想の112億2400万ドルを上回りました。

純利益が同5.2倍の67億4000万ドルとなり、調整後の一株当たり利益は2.70ドルと市場予想の2.09ドルを大きく上回りました。

調整後の粗利益率は71.2%となり、2022年度第2四半期の45.9%、前四半期の66.8%からそれぞれ25.3%ポイント、4.4%ポイントの大幅改善となりました。


2024年度第3四半期(8-10月)の見通しについては、売上高を160億ドル±2%とし、市場予想の128億500万ドルを大きく上回りました。

調整後の粗利益率見通しは72.5%±0.5%と、引き続き利益率の改善を予想しています。


株主還元では、自社株買いと配当で33億8000万ドルを株主に還元しました。自社株買い枠は39億5000万ドルが残っていますが、取締役会は追加で250億ドルの自社株買い枠を承認しました。

 


第2四半期はデータセンターが急伸、ゲーミングも回復続く


部門別では人工知能(AI)向け半導体需要の高まりを受けてデータセンター部門の売上高が急増しました。第1四半期(2-4月)に前年同期比14%増、前四半期比18%増の42億8400ドルとなり、過去最高を記録したデータセンター部門の売上高は、第2四半期(5-7月)に前年同期比2.7倍、前四半期比2.4倍の103億2000万ドルに急増し、100億ドルの大台を突破しました。


ビットコイン・マイニング需要の縮小で減少したゲーミングは前年同期比で22%増の24億9000万ドルと5四半期ぶりに前年同期比で増収に転じ、前四半期比では3四半期連続で増収となりました。





国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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