国内プロ野球のセントラルリーグ(以下、セ・リーグ)では、阪神タイガースが2位の広島カープに5.5ゲーム差をつけており(8月31日時点)、2005年以来18年ぶりのセ・リーグ制覇が視野に入っています。
パシフィックリーグでもオリックス・バファローズが首位を独走しており、今年の日本シリーズは関西対決となる可能性が高まっています。
オーナー企業の阪急阪神HDの業績拡大に期待
オーナー企業である阪急阪神ホールディングス(9042)の株価は5000円台に乗せ、年初来高値圏で推移しています。
24.3期1Q(4-6月)の連結営業利益は337.5億円(前年同期比38.2%増)と大幅増益となりました。不動産事業ではホテルの宿泊需要が回復基調にあることや、都市交通事業では旅客数に一定の回復がみられたことなどが業績に寄与しました。
今後クライマックスシリーズや日本シリーズに進出すれば、甲子園球場での試合は超満員になることが予想されます。
さらなる宿泊需要や旅客数の増加を背景とした業績拡大が支えとなり、株価の上値追いの展開に期待しています。
また阪神タイガースの快進撃は、阪急百貨店と阪神百貨店が統合し誕生したエイチ・ツー・オーリテイリング(8242)の業績の追い風となりそうです。
このままセ・リーグ優勝、そして日本一となれば、セールを実施するとみられ、非常に盛り上がりをみせることでしょう。
訪日外国人客者数の増加に加え、阪神タイガース特需でさらなる業績の押し上げが期待できそうです。
ユニフォームにロゴを掲出する上新電機
その他には、阪神タイガースのオフィシャルスポンサーは上新電機(8133)、ミズノ(8022)、ローソン(2651)、アサヒビールの親会社であるアサヒグループホールディングス(2502)の4社となります。
特に上新電機は2002年からヘルメット、2004年からユニフォームの右袖に「Joshin」のロゴを掲出しています。
テレビ中継などでご覧になられた方もいらっしゃるかもしれません。
2023年からは新たにユニフォームの左胸にも表示しています。
優勝に近づくにつれ、タイガース戦のテレビ放送の視聴率が高まれば、同社の知名度がさらに向上する可能性があります。
「阪神」「タイガース」の社名が入っている銘柄にも注目
阪神タイガースとは直接関わりはありませんが、ホース・ゴムシートなど自動車用部品大手のタイガースポリマー(4231)が社名に「タイガース」とついているため、関連銘柄として注目される可能性があります。
実際に3月に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、米国のMLBに所属する大谷翔平選手がチームをけん引し、優勝に導きました。
大谷選手と直接関わりはありませんでしたが、電線の鉄塔の設計・加工を手掛ける大谷工業(5939)の株価がWBC期間中に急騰しました。
その他には、船舶用の主機関などを製造する阪神内燃機工(6018)、オフィスビルや場外馬券売り場などのビルを賃貸する京阪神ビルディング(8818)も阪神タイガースとはビジネス上関わりはありませんが、優勝でこれらの銘柄の株価も動意づく可能性があるかもしれません。
ただし株価が大幅に上昇した場合でも、優勝決定後は材料出尽くしで下げ足を速める可能性がある点には注意した方が良さそうです。
岡田監督の言葉を借りますと、9月中にアレ(優勝)を決める可能性があり、今からタイガースに関連する銘柄の株価動向に注目してみてはいかがでしょうか。