2024年IPO 上場来高値接近と上場来安値接近 儲かるのはどっち? 結果確認

前回は2024年のIPO(地方上場除く)について、2025年5月26日時点の株価が上場来高値に近い3銘柄、上場来安値に近い3銘柄を紹介しました。

今回は上場来高値接近と上場来安値接近のどちらが儲かったのか結果を確認したいと思います。なお、結果は2025年5月26日の終値と2025年6月30日の終値との比較となります。



上場来高値に接近していた銘柄

上場来高値に接近していた3社の結果をみていきます。


1. グロービング(277A)

コンサルティングサービスを提供するコンサルティング事業および各種SaaSを提供するクラウドプロダクト事業を行うグロービングの2025年5月26日の終値は2342円となっており、上場来高値2479円(2025年5月26日時点)に接近していました。

2025年6月30日の終値は2215円と2025年5月26日の終値2342円を5.4%下回る結果となりました。




2. ユカリア(286A)

医療法人の経営支援、高齢者施設の運営・紹介、コンタクトレンズの製造・販売などを行うユカリアの2025年5月26日の終値は1071円となっており、上場来高値1138円(2025年5月26日時点)に接近していました。

2025年6月30日の終値は972円と2025年5月26日の終値1071円を9.2%下回る結果となりました。




3. MIC(300A)

リテール販促における総合支援事業を行うMICの2025年5月26日の終値は2190円となっており、上場来高値2339円(2025年5月26日時点)に接近していました。

2025年6月30日の終値は2284円と2025年5月26日の終値2190円を4.3%上回る結果となりました。




上場来安値に接近していた銘柄

上場来安値に接近していた3社をみていきます。


1. ラクサス・テクノロジーズ(288A)

ブランドバッグのサブスクリプション型シェアリング事業を行うラクサス・テクノロジーズ(以下、ラクサス)の2025年5月26日の終値は146円となっており、上場来安値141円(2025年5月26日時点)に接近していました。

2025年6月30日の終値は199円と2025年5月26日の終値146円を36.3%上回る結果となりました。




2. ガーデン(274A)

M&Aを活用した「壱角家」や「山下本気うどん」などの飲食事業を行うガーデンの2025年5月26日の終値は2358円となっており、上場来安値2223円(2025年5月26日時点)に接近していました。

2025年6月30日の終値は2491円と2025年5月26日の終値2358円を5.6%上回る結果となりました。




3. インテグループ(192A)

M&A仲介業を行うインテグループの2025年5月26日の終値は2371円となっており、上場来安値2170円(2025年5月26日時点)に接近していました。

2025年6月30日の終値は2716円と2025年5月26日の終値2371円を14.6%上回る結果となりました。




結果

上場来高値接近と上場来安値接近では儲かるのはどっちなのか、今回の結果は上場来安値接近の圧勝でした。上場来高値接近は1勝2敗、上場来安値接近は3勝となり、上昇率でもラクサス・テクノロジーズが36.3%高となるなど上場来安値接近の強さが目立ちました。


今回の結果はたまたまかもしれませんが、行き過ぎた株価が訂正されることはよくあります。例えば、平均から乖離している場合、平均に戻ろうとする動き(回帰の動き)をする場合です。この平均への回帰の動きを狙うということは上場来安値接近にチャンスがある場合が多いといえます。


ただ、注意したいのは材料が発生している場合です。例えば好業績で上場来高値に接近している場合はさらなる上値追いに、業績悪化で上場来安値に接近している場合はさらなる下値模索になることがあります。買われるべきして買われている、売られるべきして売られているような銘柄には手を出さない方がよいと考えます。


日本株情報部長

河賀 宏明

証券会社、事業会社におけるIR担当・経営情報担当、FPや証券アナリスト講師などを経て2016年に入社。 金融全般に精通。証券アナリスト資格保有。 「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別株を中心としたニュース配信を担当。 メディア掲載&出演歴 株主手帳、日経CNBC「朝エクスプレス」、日経マネー

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