投資手法には2種類ある
投資手法には、「順張り手法」と「逆張り手法」の2つがあります。
相場の流れに沿った売買手法は、「順張り手法」といわれ、投資の初心者に向いている手法といえます。
一方、投資の熟練者向けといえるのが「逆張り手法」です。
逆張り手法とは?
逆張り手法とは、価格の下落が続いた時、あるいは急落したときに買い参入し、価格の上昇が続いた時、あるいは急騰したときに売り参入するなど、行き過ぎれば戻るという相場の習性をもとに、現在の方向とは逆の動きに変わることを狙った投資手法です。
逆張り投資家のことを、「コントラリアン」ともいいます。
逆張り手法の利点
相場は中長期の上昇トレンドであっても、下降トレンドであっても、その中で短期的に上げたり下げたりを繰り返します。
短期的に上げたり下げたりする場合でも、相場は材料の強さによって片方に行き過ぎることがよくあります。
逆張りの利点は、相場が行き過ぎれば平均に戻る確率が高いといった考え方に沿っていることです。
例えば、相場への参入のタイミングとして、現在の価格推移が25日移動平均線(約1カ月間の平均値)からどの程度かい離しているかを考えます。過去と比べてかい離が大きければ、過熱感からまもなく相場は逆方向に動くと判断します。
また、過去の特定期間の上昇率(下落率)と現在のそれを比較して、買われ過ぎ(売られ過ぎ)ではないかどうか、といった視点で相場に「逆張り」で参入するかどうかを判断します。
逆張り手法の難点
逆張り手法の難点は、相場が反落すると思って売り参入したけれど、上昇トレンドが維持される場合は損失が発生します。
特に、そこから上昇の勢いが加速した場合には、損切り(ロスカット)ができなくなり損失が短期間で大きく膨らむ危険性があります。冷静かつ計画的な損切りを執行できるよう準備する必要がります。
また、投資対象への思い込みなどもリスクをはらみます。
割安感を理由に買い参入したところ、いつまでも上昇の気配すらないものもあります。そのうち、これまでも長期間「割安」のままで放置されていたことに気づき、運用面での収益機会の損失や塩漬けリスクにつながることもあるでしょう。
収益とリスクの細かい管理が必要
逆張り手法で利益を上手く上げるには、マーケットの特性を熟知している必要があります。投資期間は短期投資に向いた手法といえます。
投資期間が短いということは、年間を通じた売買回数は多くなりやすいといえます。売買回数が増えると一回あたりの利益は小さくなりがちです。
そういった意味では、逆張り手法は長く持って利益を伸ばす順張り手法よりも収益率が見劣りしやすいといえます。
加えて、逆張り手法は現在のトレンドに逆らう考え方となるため、見込み違いによる損切り(ロスカット)も多く発生します。
そのため、中長期投資に向いている順張り手法に比べて、逆張り手法が「収益とリスクを細かく管理」する必要性が高い点などが熟練者向けといわれる大きな理由なのでしょう。