新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、一時期話題を集めたテレワークですが、実施する企業が大幅に減少しています。
テレワークには感染防止以外にも、ライフワークバランスの充実や移動・通勤時間を有効活用できる面でメリットがあります。しかし、3年経過した現在では業務上のデメリットが認識された形です。
本記事では従業員と経営者が感じた課題や当時注目を集めた銘柄を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
コロナ禍から3年が経過しテレワークの実施率が大幅に低下している
新型コロナウイルスの流行から3年経過した現在は、テレワークの実施率が大幅に低下しています。2020年5月31.5%の企業がテレワークを実施していましたが、最新の2023年7月調査では15.5%まで低下していました。
画像引用元:第13回 働く人の意識調査|公益財団法人 日本生産性本部
コロナ禍で緊急避難的にテレワークを導入しただけで、5類化への移行により出社前提に戻す企業が多くなった形です。
ただし、従業員へのアンケートにおいて、今後もテレワークを行いたいかの問いに対して「そう思う」「どちらかといえばそう思う」人は9割近くに及びました。時短勤務や時差出勤など多様な働き方を認められる点でテレワークは魅力的であり、継続を望む人の声は多いです。
テレワークの実施で従業員が感じた課題3選
テレワークの実施で通勤時間を有効活用できたり、ワークライフバランスの向上がはかれたりするメリットがありますが、従業員が感じたデメリットも存在します。
そこで「第13回 働く人の意識調査」をもとに、テレワークを実施したときに感じた課題を3つ紹介します。
1. 職場の同僚とのコミュニケーション
テレワークを実践すると社員同士で顔を合わせる機会が減るため、オフィス内にいるときよりも会話が少なくなります。テレワーク中はメールやチャットなど、テキストコミュニケーションが中心となるので、お互いが気を使いながら文章を打つ必要があります。
また社員同士の雑談ができないため、気軽な相談が生まれにくくなるのも問題と感じられました。
2. 営業・取引先との連絡・意思疎通がとりにくい
営業・取引先との連絡・意思疎通がとりにくい点を課題に感じる社員が多くいました。取引先から会社の代表電話に連絡が入っても、テレワークの職員に直接つなげられないため、折り返しが必要となりスムーズに対応できません。
また同僚や上司への確認に時間がかかるケースもあり、業務効率の低下が問題としてあげられました。
3. オフィス勤務者との評価の公平性
オフィス出勤していれば上司が勤務態度を把握できるため、正当に人事評価を行えていました。しかし、テレワークでは直接働きぶりを確認できないので、評価が難しくなります。
そこで、オフィス出勤者のほうが高く評価されていると感じている社員は多くいました。
テレワークの実施は企業にとって課題が多い
2022年帝国データバンクの調査によると、テレワークを実施している企業の半数以上はデメリットのほうが多いと感じています。
画像引用元:テレワークの実態!導入企業の経営者・管理職の52%が不満|帝国データバンク
デメリットの理由としてもっとも多かったのが「社内コミュニケーションの減少・意思疎通の困難」という要因でした。社内コミュニケーションの希薄化により、業務上の支障が出ると感じる経営者が多く見られたのも事実です。
また事業者や個人事業主であれば事業を運営するため、自宅で作業しても真剣に仕事へ取り組めます。しかし、多くの従業員がオフィス出勤と同じような成果を出すのは難しく、生産性が低下するのは仕方のないことかもしれません。
テレワークが普及して3年が経過し課題が浮き彫りになったいま、有効活用できる企業だけが今後も継続するのではないでしょうか。
テレワークで注目を集めた関連銘柄を紹介
本章ではテレワークで注目を集めた関連銘柄を3つ紹介します。いずれの銘柄もコロナ禍の2020~2021年につけた高値を更新できないでいるため、2024年以降の推移がどうなるか注目してみてはいかがでしょうか。
在宅勤務に活用できるグループウェア「サイボウズOffice」を運営。2020年にはテレワークを推奨するTVCMを展開し、話題を集めました。
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