1月は主要3指数がそろって3カ月続伸
1月の米国市場では、ダウ平均が1.2%高、S&P500が8.92%高、ナスダック総合が1.00%高とそろって3カ月続伸となりました。
月初は、過熱感が強まったことや米10年債利回りが上昇したことで、主力ハイテク株に利益確定売りが強まる場面もありましたが、1月第2週以降はハイテク・ジャイアントや半導体株を中心に再び買いが優勢となりました。
中旬に発表された12月消費者物価指数(CPI)や12月小売売上高などの経済指標が予想を上回る強い結果となり早期利下げ期待が後退しましたが、下旬に発表された12月個人消費支出(PCE)価格指数が予想を下回ったことがインフレ鎮静化期待を高めたほか、10-12月期GDP速報値が予想を大きく上回ったことで景気後退懸念が和らいだこととも株式相場の支援となりました。
昨年12月に1年11カ月ぶりに史上最高値を更新したダウ平均は、年初1月2日の取引でも最高年を更新し、月間では9営業日で最高値を更新しました。
S&P500も1月19日に2年ぶりに史上最高値を更新し、下旬はほぼ連日で最高値を更新しました。
ナスダック総合は2011年11月に付けた史上最高値まで約3%に迫り、時価総額上位銘柄で構成されるナスダック100指数は昨年12月中旬から1月下旬まで最高値更新が続きました。
第4四半期決算前半戦は総じて好調
1月中旬からスタートした第4四半期決算がおおむね市場予想を上回ったことも相場の支援となりました。
S&P500採用の168銘柄が10-12月期決算を発表し、そのうち82%の137銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回りました。
利益が予想に届かなかったものの、売上高が予想を上回り、ストリーミング会員数が予想を大きく上回ったネットフリックスが月間で15.9%高と急伸したほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、ベライゾン・コミュニケーションズ、IBM、インテューイティブ・サージカル、マラソン・ペトロリアム、トラベラーズなども決算や見通しが好感され月間で2桁高となりました。
一方、予想を下回る決算や弱い見通しが嫌気されたテスラが24.6%安と急落し、弱い見通しが嫌気されたインテルと3Mも2桁安となりました。
セクター別では5セクターが上昇し6セクターが下落
業種別では、1月はS&P500の11セクターの内、コミュニケーション、IT、金融、ヘルスケアなどの5セクターが上昇し、不動産、素材、一般消費財、公益など6セクターが下落しました。
騰落率上位はコミュニケーションが4.8%高、ITが3.9%高、金融が2.9%高、ヘルスケアが2.8%高となり、S&P500(+1.6%)をアウトパフォームしました。
一方、騰落率下位は、不動産が4.8%安、素材が3.9%安、一般消費財が3.6%高、公益が3.1%安となり、資本財、エネルギーも小幅に下落しました。
上昇率トップのコミュニケーションではストリーミング会員数が予想を大きく上回ったネットフリックスが15.9%高、好決算を発表したベライゾンが12.3%高と急伸したほか、時価総額上位のメタ・プラットフォームズも好決算発表期待を背景に10.2%高となりました。
ダウ平均採用銘柄は17銘柄が上昇し、13銘柄が下落
ダウ平均採用銘柄は、1月は月間で17銘柄が上昇し、13銘柄が下落しました。
予想を上回る決算を発表したベライゾン、IBM、トラベラーズや、主力抗がん剤のキイトルーダが好調で増収見通しが強まったメルクが軒並み2桁高となりました。
一方、アラスカ航空のボーイング737Max9型機のドアパネルが空中で爆発したことを受けて、米連邦航空局(FAA)が同型機の運航を停止し、緊急一斉点検を命じたことが嫌気されたボーイングが20%近く下落したほか、決算が予想を下回ったインテルや3M、大幅減配を発表したウォルグリーンも2桁安となりました。