人口減少や高齢化社会などのニュースを見て「30年後の日本はどうなるのか?」と、将来に対して不安を感じる人もいるのではないでしょうか。
たしかに少子高齢化の進行や、AIの発展によりホワイトカラーの仕事は減少するなど、未来を想像すると暗い情報が多くあります。
そこで本記事では30年後の日本に起きる問題や、今わたしたちができることについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。
30年後の日本はどうなるか?
30年後の日本で起きることについて、4つの観点から問題点を紹介します。
人口は減少し過疎地域が増える
日本の人口は2008年の1億2,808万人をピークに、年々減少を続けています。2053年には1億人を割り込み、約9,900万人になる見込みです。
画像引用元:第1章 高齢化の状況|内閣府
なお、2023年の出生数は過去最低の75万8631人であり、人口の減少幅は80万人を超えています。このままのペースでいくと政府の予想より、人口減少のスピードは早まるかもしれません。
また総務省が発表する「人口推計2022(令和4年)10月1日」を地域別にみていくと、東京都以外の46道府県で人口は減少していました。全国的にみても都市部の人口はギリギリ維持されているものの、全体として過疎地域は増加傾向です。
過疎地域が増えると、住宅や建物の老朽化や公共交通機関の利便性が低下するため、住民の生活を維持できなくなります。そこで将来的な人口減少に対応するため、コンパクトシティの実現が鍵を握っています。
コンパクトシティとは、住宅・交通・サービス・商業施設などの生活機能を集め、効率化した都市のことです。過疎地域で生活を維持していくのは将来的に難しくなるのは時間の問題であるため、都市部に社会的資源を集中する考え方です。
政府は2023年から少子化対策に本腰を入れましたが、人口減少に対して施策を打つ段階にきていると考えられます。
高齢化人口の割合増加により年金受給開始は遅れる可能性がある
高齢化率(65歳以上人口割合)は年々増えており、2050年には38%前後になる見込みです。年金を受け取れる年齢は65歳からですが、年金制度を維持するため、受給開始は遅れる可能性があります。
年金制度がスタートした昭和16年の受給開始年齢は55歳です。その後、昭和36年に国民年金法が施行され、受給開始の年齢は段階的に引き上げられ、現在の65歳になりました。
一方で、2025年4月から「高年齢者雇用安定法」により、政府は企業に対して65歳までの雇用を義務づけています。また2020年1月から70歳までの就業機会の確保を呼びかけていて、段階的に年金の受け取り時期を遅らせる準備に入っていると予測されます。
年金の受給開始年齢を引き上げていくと、65歳以降も働きつづけなければ、生活を維持できません。20代30代の人は70歳まで働き続ける予定で、ライフプランを設計していく必要が出てきています。
GDPの世界順位は低下する
2023年における日本のGDPは、ドイツに抜かれて世界4位に位置しています。2050年に世界経済の規模は現在の2倍に拡大されると予測されていますが、日本の順位は8位に低下する見通しです。
また一人当たりのGDPは30位代であり、イタリアや韓国と同等くらいです。一人当たりのGDPの推移がどうなるかは予測できませんが、労働人口の減少により経済力は低下する可能性が高く、政府は外国人労働者の受け入れを議論しています。
わたしたちは経済面で日本に100%依存するのではなく、外国の株式や債券を保有しつつリスクヘッジしていく必要があります。
AIの発展により仕事環境は大きく変化する
AI(人工知能)の発展により、仕事環境は大きく変化することが予測されます。2022年11月に公開されたChatGPTが話題になりましたが、今後もAIの発展は目覚ましく進むでしょう。
将来的には車両の自動運転やAI搭載ロボットの活用など、生活に役立つサービスが登場すると予想されますが、人間の仕事がAIに代用される可能性も出てきました。
AIの発展により、以下の仕事は大きく影響を受ける可能性が高いです。
・一般事務職
・電車やタクシーの運転士
・警備員
・スーパー・コンビニの店員
・コールセンター
・顧客サービス
・金融サービス
反対に、AIを駆使した新たな仕事が登場する見込みです。今後はAIと人間が連携して、サービスを提供していく社会が実現するかもしれません。
30年後の日本を迎えるまでにできることは?
30年後の日本を迎えるまでに、わたしたちができることについて2つの観点から解説します。
健康寿命を伸ばす
年金受給開始年齢が遅れると、今より働く期間が長くなるのは目にみえています。そこで70歳まで元気に働けるように、健康寿命を伸ばす必要性が高まります。
暴飲暴食を避け、栄養バランスの摂れた食事を心がけましょう。また今まで運動習慣のなかった人は、散歩やジョギングなどを生活のなかに取り入れてみてください。
AI技術の発展と共生を実現する
AI技術の発展により一部の仕事はなくなる可能性がありますが、同時に労働力不足の解消に役立つかもしれません。
AIはビッグデータを使って学習し、これまで「人間にしかできない」と思われたことができる可能性を持っています。
わたしたちがAIをうまく活用できれば、経済成長や新たな技術開発につながるかもしれません。AIの発展は誰にも止められないので、わたしたちが使う立場で受け入れる準備をすすめる必要があります。