政局不安による仏株安がリスクセントメント左右
フランスの国民議会(下院)の解散・総選挙の行方がマーケットのリスクセントメントを左右する状態となっています。「仏下院選挙」の絡みのリスクセンチメントのバロメーターとされるフランスの代表的な株価指数・CAC40の上下にマーケットが揺さぶられる状態がしばらく続くかもしれません。
同指数はまず、9日までに行われた欧州連合(EU)の欧州議会選挙において、フランスで極右政党とされる国民連合(RN)が3割以上の票を獲得し、マクロン大統領率いる与党「再生(RE)」などによる連合がその半数以下の票にとどまったことで急落。前週末7日の終値8001ポイント付近から週明け10日には7812ポイント付近まで大きくギャップを空けて売られて取引を開始しました(図表参照)。
マクロン仏大統領は国民の声と問うとして、極右台頭への危機感を味方に野党分断を狙った国民議会(下院)の解散・総選挙を決断しましたが、世論調査ではRNが3割強の支持を得てトップ。左派系連合「人民戦線」が3割弱程度で、与党連合は2割弱と3番めの勢力にとどまる苦戦状態となっています。
仏CAC40は極右勢力の台頭による財政悪化を懸念して続落。先週末14日には1月25日以来の安値7464ポイント付近まで下振れました。
「仏下院選挙」Frexit誘うか
エネルギー価格の高騰や公的債務など国民が負担増を強いられることへの不満が強く、国民の声に寄り添う政策を提言する勢力が志向されています。ただ、現行のEUの枠組みでは、極右や左派の耳障りのよい政策には実現性が不確かなものも少なくないようです。
欧州連合はフランスが現状すでにEU基準の財政赤字や債務に関する規則違反しているとして罰金を科す可能性が出てきています。この動きはRNの選挙活動における方針にも影響を与えてきそうです。
今週に入って、大きく売り込まれてきたことに対する自律反発や、先述したEUによる財政のタガが働くとの見方もあってCAC40は下げ渋り気味に取引をスタートしています。しかし、RNや左派連合が支持を得ていることを後押しに政策をゴリ押しするリスクも考えられます。
そうなった場合に選択肢に上がってくるのがフランスのEU離脱(Frexit:フレグジット)です。ルメール経済・財務相からは「フランス総選挙で左派系政党による新たな連合が勝利すれば、フランスはEUを離脱することになるだろう」との警告も聞かれました。
マーケットは現在、仏CAC株価指数の上下をにらみ、このFrexitの行方も意識しているといってもよいでしょう。背景となる「仏下院選挙」が初回投票と決戦投票を行う2回投票制であることも予想を複雑にするため、選挙の動向などを反映した仏CACの上下をにらみ、リスクセントメントを推し量る局面が続きそうです。