先週はダウ平均が3週ぶりに反発するも、S&P500が3週続落しナスダック総合は4週続落
先週の米国市場ではダウ平均が3.16ドル高(+0.01%)とわずかながら3週ぶりに上昇した一方、S&P500が3.05%安と3週続落し、ナスダック総合は5.52%安と4週続落となりました。
イランとイスラエルの紛争で中東情勢の一段の悪化への警戒感が強まったほか、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ後ずれ観測や、オランダの半導体製造装置メーカーのASMLの決算悪化や台湾セミコンダクター(TSMC)が半導体業界全体の見通しを下方修正したことをきっかけにエヌビディアなどの半導体株が大きく下落したことが重しとなりました。
エヌビディアは週間で13.59%安と急落し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も週間で9.23%安となりました。
投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の17.31ポイントから金曜日に一時、21.36ポイントまで上昇し、18.71ポイントで終了。センチメントは大きく悪化しました。
エヌビディアが急落 ASMLの決算や台湾セミコンダクターの業界見通しを嫌気
先週は第1四半期の相場上昇をけん引した半導体株が大きく下落し、S&P500とナスダック総合の押し下げ要因となりました。
オランダの半導体製造装置メーカーASMLが水曜日に発表した第1四半期決算は利益が市場予想を上回りましたが、売上高が前年同期比22%減少し、市場予想の20%減を上回る減収となりました。2024年通期の売上高については、下半期に大幅な回復が見込まれるとし、前年比横ばいとした従来の売上高見通しを据え置きましたが、株価は17日の取引で6.68%安となり、週間では9.53%安となりました。
台湾セミコンダクター(TSMC)が19日に発表した第1四半期決算は市場予想を上回ったものの、業界全体の見通しを引き下げました。
TSMCやサムスン、インテルなどの半導体製造大手を顧客に抱えるASMLが大幅減収決算を発表したことに加え、エヌビディアなどを顧客に抱えるTSMCが業界見通しを引き下げたことで大手半導体株に利益確定売りが強まりました。
エヌビディアの株価は17日に3.87%安、19日に10.00%安となり、週間では13.59%安となりました。
3月8日に付けた上場来高値973.85ドルからの下落率は21.75%と「弱気相場」入りとなり、一時2兆4350億ドルまで増加した時価総額は1兆9050億ドルに減少しました。
スーパー・マイクロ・コンピューターも急落 事前予想未公表を嫌気
エヌビディアのGPUを搭載するサーバーを手掛ける米スーパー・マイクロ・コンピューターも急落しました。
同社は19日、第3四半期決算を4月30日に発表するとしましたが、正式決算発表に先立つ事前ガイダンスが示されなかったことが嫌気されました。
同社は過去7四半期で事前予想を発表し、ガイダンスを上方修正していました。
株価は19日の取引で前日比214.83ドル安(-23.14%)と急落し、週間では20.57%安となりました。
3月8日に付けた上場来高値1229.00ドルから41.93%安となり、年初来では151.06%高となりました。